#03
ビルエントランスでの新しいおもてなし
~傘ビニール袋の自動回収機を新発売
小田急デパートサービス株式会社
物販・サービス営業部長 吉田明広氏
百貨店や大規模商業施設をはじめとするビルメンテナンスを長年手掛けてきた小田急デパートサービス。最上級の「安全・安心・快適」の提供を目指す中、「おもてなし」を演出できる新たな商品開発にも初めて取り組んだ。それが傘ビニール袋の自動回収機「かさビニぽいぽい」だ。開発から販売まで関わってきた吉田様に話を伺った。
傘ビニール袋の自動回収機を新発売
―今回出展予定の商品は何でしょうか?
傘のビニール袋を自動で回収する、国内初めての機械を展示します。傘袋を自動で付ける機械を見たことがある方は多いと思いますが、これはその逆で、袋を自動で取り外してくれるものです。“濡れた傘ビニール袋を手で外してゴミ箱に捨てる”という動作をされていると思いますが、傘を軽く差し込むだけで手を濡らさず外すことができるのです。「かさビニぽいぽい」と名づけました。
―商品開発の背景を教えてください
当社は百貨店等のビルメンテナンスを手掛けておりますが、安全、安心、快適の提供をモットーとしております。メンテナンスの観点から考えて、ビルエントランス周りでもっと快適さを提供できるはずだと考えたのが、商品開発を考えるきっかけでした。雨の日に傘ビニール袋がゴミ箱周りで散乱している風景を目にすることはないでしょうか。店の印象も悪くなってしまいますし、床が濡れるとすべりやすく危険です。こうした問題意識があったので、誰でも簡単に使えてゴミが散乱しないものを目指しました。
―展示会では何を期待していますか?
これまでなかった商品なので、まず皆様に「傘袋の回収をする機械がある」ことをいかに認知してもらうかが重要だと感じています。そのためには実演で見てもらう、触ってもらうことが一番ですので、多くの人が参加する展示会の活用を考えました。発売を開始して半年ほど経つのですが、置いてあっても使い方がわからない方が大半だと思います。この商品に絞って展示する予定ですので、ビルメンテナンス会社やビルオーナーの方をはじめ様々な方に見てもらいたいですね。
利便性と安全性を最大限追求
―開発はどのように進めたのでしょうか?
実は韓国に先行する商品がありました。韓国で見かけた時はまだ傘袋だけを安定的に吸い取れるようになっていませんでした。そこで(株)エンプレイスと共同開発商品として改めて企画立案、性能向上から始めたのですが、商品化するまで3年弱かかりました。
一番難しかったのが、傘袋を巻き取るローラー部分です。傘の先端が触れることで回転して袋を吸い取る仕組みなのですが、ここを工夫して特許をとりました。また、小さいお子さんが指を入れてしまわないような設計にしています。日本の製品安全協会の試験もクリアして、最大限の安全を追求しました。
―どこでも設置できるのでしょうか?
3時間の充電で3,500回以上の傘ビニール袋を回収可能にしていますので、コードレスでどこでも設置できます。コードにつないだ状態では逆に動かないようになっており、感電の恐れもありません。下にキャスターが付いており、簡単に移動できます。だいたいどの商業施設でも1時間程度で清掃の方が巡回・回収していますので、ゴミがあふれたり充電切れになったりすることは起こらないと思います。
―一度使ったら利便性が体感できますね
手が濡れなくていいと、特に女性の方に好評ですね。荷物が多い方、ベビーカーを押している方でも片手で傘袋を捨てられます。ただ、今現在は、機械を見てもピンとこない人が大半だと思いますので、使い方のポップを付けて、ゴミ箱と併用して置くことをお勧めしています。
エントランスでプラスアルファのおもてなしを演出
―導入施設側の声はいかがですか?
施設のビルメンテナンスの方にとって雨の日のエントランスは気をつかうので、ビニールが散乱する状態を少しでも防げる、ゴミが散乱せず美観保持に役立つという点で、効果を感じてもらっています。 ロゴやキャラクターをラッピングできるようなサービスも進めていますので、各導入施設で装飾していくことも可能です。
エントランスから快適空間を演出することができる仕掛けですね
はい。私自身、百貨店勤務時代に販売促進で店舗装飾を担当したことがあります。クリスマスやバレンタインと季節ごとの演出を工夫していましたが、その傍らで安全・安心・快適に店内で過ごしていただける配慮も重要だと思っていました。この「かさビニぽいぽい」は、プラスアルファのおもてなし提供として活用いただくことを目指しています。この商品を通じて全国のビル・施設・店舗に「安全・安心・快適」をご提供できたらうれしく思っています。