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「感動」を創造し、「信頼」を構築し、
「ありがとう」を頂戴できる企業であり続ける

2024/11/11 16:50

その人にとって当社が働き続けたいと思う職場か、
当社で働くことが幸せに繋がるかを考える


―――入社されたきっかけは何ですか?

田中 知人の紹介で定期清掃アルバイトとして入社し、今年で入社28年目になります。

実は入社当初、コニックスで働き続けることは考えていませんでした。しかし、お客様から「こんなにきれいになるんだ!」、「床の張替えをするしかないと思っていたのにビックリ!」といったレビューをいただく中で、やりがいが増していき、気づいた頃にはコニックスでの仕事にのめり込んでいる私自身がおりました。

―――入社後、苦労されたことはありますか?


田中
 入社して数年が経ったころ、今まで働いていた定期清掃チームを離れ、別の職責を担うことになりました。具体的には、プールの管理者や病院・ショッピングモールの清掃責任者ですが、慣れ親しんだ環境を離れ、新天地で働くことはとても大変でした。しかし、振り返ってみると、病院やショッピングモールでの清掃技術はそこでしか学べないものであり、今とこれからに活きるよい経験になっています。自分が体験していなければ真の教育・指導はできませんから。

例えば、病院清掃で感染症の患者様が入院されている部屋の清掃をスタッフへ対応するよう指示のみしても「怖いからやりたくない」となるんですよね。

そこで、当時私が清掃責任者を務めていた病院では自分も一緒に作業に入り、作業方法や感染に対する正しい知識を一緒に考えていくと、スタッフも安心して作業に入ってくれるようになったんです。

当社は、コロナウイルス最盛期の消毒も自社チームで行っていましたが、消毒作業を“業”として開始した頃は私自身が率先垂範で作業に入りました。まずは自らが効果的な消毒作業ノウハウ・スキルを習得し、どういうマインドで臨めば消毒作業を安全に遂行できるかを含めた“肝”を自社チームへ展開・仕組化し本稼働させてまいりました。

スタッフと共に消毒作業を行う田中さん

―――仕事でどんなことを大切にしていますか?

田中 ビルメンテナンス業は労働集約型産業であり、現場で働いてくれるスタッフがいて初めて売上と利益が生まれます。スタッフにとって働きやすい環境を作ることで、お客様が満足し、それが会社の評価となり、売上が上がったり、新しい仕事に繋がったりし、そこで利益が生まれ、スタッフの待遇も良くすることができます。

また、誰に対してもですが、言い方・伝え方について、相手が傷ついていないか、悲しんでいないかを常に意識するようにしています。

また、お恥ずかしい話ですが、私は入社したころはまったくパソコンが使えず、現場責任者をしていた当時はスタッフのシフト表などをすべて手書きで作成していました。当時の担当営業の方から再三「覚えろ」と言われて学ぶようになりましたが、覚えたあとの快適さにはビックリしました。当時は、現場で作業ばかりしていたのでパソコンの必要性も感じていなかったのです。今では考えられませんね。

私は学も無く現場あがりなので、「○○○だからできなくて仕方ないよね」と言われないように、できる人の2倍も3倍も時間がかかっても、諦めずにチャレンジするようにしています。

―――障がい者雇用に力を入れていると聞きましたが。

田中 単に障がい者の雇用率を上げるのではなく、その人にとって当社で長く働き続けることができる職場か、当社で働くことが幸せに繋がるかを採用の際に意識しています。それが結果的に雇用の定着に繋がっているかと思います。

私は特別支援学校生徒の実習受入れや採用に携わることが多いのですが、以前、採用者の卒業式に呼ばれた際に、卒業生の親御さんがお子さんの成長に感極まって泣いておられる姿を見ました。卒業式の光景としては珍しいことでは無いかもしれませんが、特別支援学校の卒業式であることで私の感動もひとしおでした。

それ以来、面接や実習を受け入れる際、「この子にとって当社が長く働ける場所になれるか」、「本当にうちで幸せになれるか」をさらに真剣に考えるようになりました。

ただ、一緒に仕事をするのは現場のスタッフであり、会社として障がい者雇用を進める上で、バックアップ体制や会社としての関わり方も十分に整えていくことも重要だと考えています。

また、障がい者技能競技大会(アビリンピック)にも力を入れており、障がいを持ったスタッフが目的や目標を持ちながら、時間内での作業や手順を覚えて作業を終えることへの達成感と、そこに喜びや仕事に対する愛着を感じて欲しいと願っています。
そんな中で、参加する選手の頑張りで、2019年から2024年まで、2021年を除き愛知県代表として全国大会に参加させていただいています。金、銀、銅とメダルを獲らせていただいたこともあり、お子さんの目的ややりがい、楽しさの中でチャレンジしていく姿に、親御さんからも非常に感謝されています。アビリンピックには特例子会社や特別支援学校も多く参加される中、私自身もビルメン業界人として、引き続き一緒に盛り上げていきたいと思っています。

―――特定技能外国人の採用にも力を入れていますね?

田中 特定技能外国人を採用するきっかけは、もともと当社で働いていた技能実習生が特定技能に移ったことです。さらに彼の紹介で特定技能外国人が当社に勤めてくれるようになったことで採用が始まりました。

当初は採用のノウハウがなく、紹介業者経由で採用活動を行っていました。しかし、最近では当社で働いている特定技能外国人から「知り合いがコニックスで働きたいと言っている」といった紹介があり、いい循環ができ始めています。

採用条件も彼らにとって魅力的なのかもしれませんが、やはり現場で一緒に働くスタッフが、彼らにとっていい環境を作ってくれていることが一番の要因かなと考えています。当社の特定技能外国人は、ビルクリーニングの技能実習を終えた方であることから、全員が即戦力として活躍してくれています。

外国人スタッフの指導の様子

3K(きたない、きつい、きけん)と呼ばれている仕事を、
心の持ちようで(健康、希望、幸福)の3Kに変えていく


―――会社について教えてください。

田中 当社は1955年に清掃業者として愛知で起業し、今年で69周年を迎えました。現在では複数のグループ会社や関連会社を有しています。

当社の企業理念である「私たちは『感動』を創造し、『信頼』を構築し、『ありがとう』を頂戴できる企業であり続けます」に沿って、今では清掃事業をはじめ、施設保全管理、医療補助業務事業、ホテルサポート事業、有人警備・機械警備事業など、ビルにまつわるさまざまな仕事を行う総合ビル管理会社です。

―――会社の特徴・強みについて教えてください。

田中 当社には事業推進部という部署があり、テキストの作成を始めとしてさまざまな研修を実施しています。特に「スマイル研修」という研修では、「笑顔」「挨拶」「身だしなみ」「言葉遣い」の4つのポイントを中心に、相手に「感動」「信頼」「ありがとう」を届けるサービスの本質や仕事の楽しさ、やりがいを受講者全員で学び合っています。年間で協力会社を含め約2,000人がこの研修を受けています。

「笑顔」「挨拶」「身だしなみ」「言葉遣い」は簡単そうに見えて誰でもできるわけではありません。「挨拶するのが恥ずかしい」、「挨拶しても無視される」など色々な理由でおざなりになりかねません。この点を教育することにより、「原価0円のサービスの付加価値」が作れるのではないかと考えています。

そのほか、我々コニックスグループの従業員が、お客様に「よりよい価値」を提供するために何を率先して大事にしていかなくてはいけないのかを常に意識させるため、従業員全員が「CONYX PRIDE」というクレドカード(「企業の信条・行動指針を簡潔に示した言葉を書いたカード」)を常時携帯しています。

また、当社の吉田社長はよく「ビルメンテナンス業界の仕事は3K(きたない、きつい、きけん)と呼ばれているが、この3Kを心の持ちようで(健康、希望、幸福)の3Kに変えていきましょう」と、我々従業員にトムソーヤの話をしてくださいます。

「トムソーヤ」のペンキ塗りの話

ある日トムはいたずらの罰として、壁のペンキ塗りをさせられることになりました。
そんな時トムは楽しそうにペンキ塗りをやれば友達にも手伝ってもらえるのではないかと思いつきます。トムが壁のペンキ塗りを楽しそうにやっていると「楽しそうだね」「ぼくにもやらせて」とお願いにやってきました。
トムはペンキ塗りを友達に手伝ってもらえただけではなく、友達から「ペンキ塗りをやらせてくれてありがとう」と感謝までされました。

「トムがペンキ塗りを楽しそうにやることによって、『ペンキ塗り』に価値が生まれ、さらに『ペンキ塗りをやらせてくれたこと』に対して感謝が生まれた」ように、従業員が仕事を楽しくやることでそこに価値が生まれ、そこに対してやりがいをもって仕事ができます。そこからさらにお客様の「感動」や「信頼」が生まれます。

このように、仕事に対する姿勢や考え方が従業員に浸透しているのも当社の強みだと考えています。

2024年度に実施したスマイル研修の様子(左・真ん中)クレドカード「CONYX PRIDE」(右)

―――今後、会社をどうしていきたいですか?

田中 今後、働き手はどんどん減っていきますので、外国人の採用を含め、雇用の安定化への取り組みをさらに進めてまいります。

また、清掃ロボットについても導入を進めています。まずは、既存のお客様を中心に実績と経験を積んでまいります。ロボットの清掃は、決められた場所を決められた時間に行い、清掃の記録は全てログとして残るので、場所によってはロボットを使用するほうが品質の向上に繋がります。ただ、ロボットでは清掃しきれない部分があるので、そこは人が行うといった組み合わせで、品質向上や省人化を行っていければと考えています。

さらには、当社でも年齢層が高くなっている傾向はありますので、そういった人たちの働きやすい環境づくりを進める上でも、ロボット導入は有効と考えています。

愛知を代表する企業の認定証※ビルメンテナンス企業としてはコニックスが唯一受賞