CASE84 自転車事故を繰り返さない!-自転車運転、法令違反厳罰化へ-
【事故エピソード】
経理担当のA子さん(57歳)、銀行の窓口業務の終了時間に間に合いそうにないので、自転車で出かけました。
前のカゴには必要な書類の入ったバッグと携帯電話(スマホ)を入れています。もう少しで銀行に着こうという時、スマホが鳴り出しました。緊急の用事に違いないと、自転車に乗ったままスマホで話し始めました。やはり上司からの電話で、振り込み先の変更の内容でした。
そのまま駐輪場へ止めようとしたところ、道路の縁石に前輪が乗り上げ、転倒、道路わきに立っていた人に危なくぶつかるところでした。そこへ、巡回中の警察官がやってきて、「スマホ通話禁止違反」の違反を告げられることに。泣きっ面に蜂のA子さんでした。
[1]自転車運転法令違反厳罰化、その背景には・・・・
道路交通法が改正され、令和6年11月から自転車運転中にスマートフォン等を使用する「ながら運転」(「ながらスマホ」)の罰則が強化されました。また、「酒気帯び運転」が新たに罰則の対象になりました。
自転車運転中は、信号などで一時停止している間を除いて、スマホで通話したり、手にしたスマホの画面を注視したりすることはもちろん、自転車に取り付けたスマホの画面を注視することも禁止されます。こうした厳罰化の背景にはどのような状況があるのでしょうか。
下のグラフは政府広報の資料です。交通事故全体に占める自転車事故の割合を示していますが、この数年増加し続けていることがわかります。
事例のA子さん、自分のケガだけで済みましたが、歩行者を巻き込んだりすれば大きな事故となっていたでしょう。自転車も自動車運転と同様、安全運転を心掛けなければなりません。事故を未然に防ぐ、そのための厳罰化です。
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