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CASE88 空き缶を素手で処理しようとして、指を切る!―いつもなら、切創防止手袋をして作業するはずなのに―

2025/03/25 10:00

【事故エピソード】

ショッピングセンターの清掃を担当するYさん(72歳)。各店舗から出される廃棄物(業務関連ゴミ)の処理に悩まされています。
業務関連の廃棄物は各店舗で処理を行うことになっているのですが、そのルールがなかなか徹底されません。この日も飲食店からだと思われる一斗缶が一般ごみのエリアに置かれていました。Yさんは缶を少しでも小さくつぶしてから、不燃物の回収コーナーに移動させようと思い、外に開いていたフタを缶の中に押し込もうとしました。
その時、親指が滑って、缶の切り口に当たってしまい、手のひらの付け根の部分まで数センチ切ってしまいました。

[1]事故防止対策のポイント―業務に必要な器具、保護具を整備する

事故のあったこの職場では、以下の2つの対策が実施されました。

❶ゴミ置き場に切創防止手袋を常備する
❷空き缶をつぶす時は道具(ペンチ、缶切りなど)を使う


確かにこの二つの対策、「空き缶処理作業は道具と手袋をしっかり着用して作業すること」で、事故はある程度減るでしょう。しかし、手袋や道具を常備しても、必ずこれを使用するかどうかが次の課題となります。この事故を引き起こす背景には、心理的要素と危険作業についての認識の不足ということが隠れているからです。

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