ビルクリーニング技能検定全員合格を目指して
12:00 更新
東京美装株式会社、業務管理部 品質管理課の主任を務めている鈴木希実子さん。入社してからホテルの清掃部門で5年働き、3年前からは今の部署で営業のサポートやビルクリーニング技能検定受講者の指導担当として活躍する鈴木さんにインタビューしました。
その人に合った研修の時間を作り、成果を上げたい
「今の部署に異動して初めの課題は、私自身がビルクリーニング技能検定の1級に合格することでした。初年度は自分も1級に受かっていないのに同時進行で指導もしていたので、内心『ここで自分が落ちたら、説得力がまるでなくなってしまう』と必死でした」
努力家の鈴木さんは、1回の受験で見事合格。
「検定の“あるある”かもしれませんが、長く現場経験がある人ほど、その人なりの道具の使い方が身についていて、そこから検定に受かる“型”を調整するのが難しいんです。私は入社以来、ホテルの清掃業務をしていたのでポリッシャーもダスターもモップも扱うのがほぼ初めてでした。そのほうが正しい型が身に付きやすかったのだと思います。」
指導をするときは、現場で教わったやり方から検定に受かる正しい型に修正するためには「なぜ正しいやり方が必要なのか」を説明するところから入るのだという。
「もちろん、現場で実際に作業をしている社員たちですから、私なんかよりよっぽど動かし方はスムーズ。さらに、持ち方やコードのさばき方をきちんと伝えて、安全に効率的に作業ができるようにしましょうという話をすると、みなさん納得してくれます」
さらにその伝え方にも、鈴木さんには持論がある。
「『絶対に全員受からせる』という気持ちがまずあるのですが、みなさん、同じような伝え方をすればいいわけではないと思います。年上でも『こうしてみてよ』とフランクに伝えたほうが心地いい人もいますし、年下や同年代でも踏み込み過ぎず、ていねいに伝えたほうがいい人もいます。その人に合った接し方で、その人が100%理解できるような、意味のある研修の時間を作ることを心がけています。」
このような工夫のおかげで、指導をした社員は、初年度は7名中6名合格、翌年も7名中6名合格と成果を上げている。今年ももちろん、全員合格を目指している。
今後もフォローやサポートのスキルを伸ばしていきたい
鈴木さん自身の今後のキャリアプランはまだはっきりとは固まっていないそうだが、「今後も今やっている、フォローやサポートみたいな方向性は伸ばしていきたいと思っています」と話す。
男性の割合が多いビルメン業界。東京美装株式会社も例にもれず、事務職を含めると女性が半数以上だそうだが、管理職についている女性は一桁。今後、鈴木さんのようなパワフルな女性が増えることを期待したい。
東京美装株式会社
業務管理部 品質管理課 主任
鈴木希実子さん。ビルクリーニング技能検定1級受験の指導係の他に、清掃ロボットの社内窓口担当でもある鈴木さん。「ロボットも初めはまったく知識がなかったのですが、勉強していくうちに愛着がわいてきて、今では知らないことはないくらいです」