病院清掃に関する情報


医療機関では、検体検査、滅菌消毒、患者等給食と同様に、病院清掃業務を外部に委託することができるとされています。そして、病院清掃業務の委託を請負う清掃事業者は「医療法施行規則」により、「施設の清掃に関し、相当の知識及び経験を有する者」として「受託責任者」を現場に配置することになっていることをご存じでしょうか?
全国ビルメンテナンス協会では、「病院清掃受託責任者講習」等の講習会を通して、「受託責任者」に求められる知識・技能の育成とその技術の認定を行っています。また「サービスマーク認定制度」や「感染制御衛生管理士(ICCC)認定講習会」などを通して、清掃業界における病院清掃の知識・技能の向上を目指しています。
一方で、病院施設には必ず「業務責任者」が存在します。この「業務責任者」と「受託責任者」の良い関係性が、病院清掃にはとても重要な役割を果たしています。

本サイトでは、医療機関、清掃事業社相互への情報提供の一助となるよう、ビルメンテナンス業界における病院清掃や感染対策に関する取り組みを随時発信してまいります。

CONTENTS

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1.病院施設における清掃業務の外部委託

病院施設における清掃業務の外部委託

■病院清掃の外部委託にあたっては、「医療法施行規則」に定められた一定の要件を満たす事業者へ委託する必要があります
「医療法」第15条3第2項により、病院施設は清掃業務を外部に委託することができるとされていますが、外部委託にあたっては「医療法施行規則」に定められた一定の要件を満たした事業者へ委託する必要があります。また、業務を受託する清掃事業者は当該規則により受託現場に「施設の清掃に関し相当の知識及び経験在有する者」として「受託責任者」を配置することが定められています。

ポイント
清掃業務を外部委託する際は、全国ビルメンテナンス協会が主催する「病院清掃受託責任者講習」を修了し、適切な知識を取得した「受託責任者」が所属する清掃事業者を選定いただくことが安心です。

病院施設の「業務責任者」と、清掃事業者の「受託責任者」の関係性が重要

業務責任者とは
清掃業務に係る病院施設側の責任者であり、受託責任者(受託業者)への指示や協議を行う窓口と位置づけられています。

厚生省健康政策局指導課長通知において、業務責任者は受託責任者(受託業者)に以下の指示をすることが求められています。
・業務が適切に実施されるために必要な事項
・受託業務に従事する者の安全を確保
・受託業務に従事する者の事故発生時の適切に対応

受託責任者とは
清掃現場の責任者であり、清掃従事者への指示を行う窓口と位置づけられています。

医療法施行規則第九条の十五で定められた「施設の清掃に関し相当の知識及び経験を有する者」であり、医療関連サービスマーク制度においては病院毎に1名以上の受託責任者(講習会修了者)を配置することとされています。
・清掃に関する作業計画や品質評価を実施
・清掃従事者への教育や健康を管理
・受託業務の窓口として病院施設への連絡、報告を担う

清掃従事者とは
受託責任者の指示のもと、日々の清掃作業を行います。

業務責任者と受託責任者の連携がないと…

・清掃品質が悪くなってしまうかも……
・清掃従事者が感染症患者と接触してしまうかも……
・緊急時の連携対応が上手く機能しないかも……
・清掃と患者対応の時間が被ってしまうかも……
・清掃事業者への要望が正しく伝わらないかも……

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2.外部委託先(病院清掃)を選定する際に有効な指標・制度

委託先清掃事業者を選ぶ際の指標

1.「病院清掃受託責任者講習」を修了した受託責任者が所属している
清掃業務を委託した清掃事業者が「受託責任者」を配置したからといって、相応の知識が伴っていなければ意味がありません。
全国ビルメンテナンス協会が主催する「病院清掃受託責任者講習」を修了した「受託責任者」であれば、計1.5日間の講習を受講し、必要な知識を習得したことが認められています(4年更新)。
本講習会では毎年約3,000人の「受託責任者」が排出され、全国で約12,000人(有効期限内)が活躍しています。講習会を修了した「受託責任者」が所属していることが業者選定時の指標の一つとなっています。

【病院清掃受託責任者講習】~病院清掃において中心となる教育制度~

■講習概要
「受託責任者」となる人材に対して医療法施行規則第9条の15第1項が求める「病院清掃に関する知識」を付与することを目的に、平成6年より実施している講習会です。講習会には医師、看護師、行政講師を迎え、専門的な知識を交えた講義を行っています。
本講習会を修了した「受託責任者」は医療施設における清掃業務の責任者として従事し、病院施設における「業務責任者」と連携することが求められるなど、重要な役割を果たしています。
■目的
病院清掃(業務委託)に必須な「受託責任者」の育成
■開催時期
毎年1回開催(8月~9月頃) ※全国8地区で開催
■修了者数
延べ71,129人 ※2023年度実施分まで
■カリキュラム
・学科講習:①基本的事項の確認、②受託責任者の業務、③品質評価と連絡・報告、④清掃作業の実務知識、⑤医療関係者及び患者への対応
・集合講習:①病院清掃のための基礎知識、②病院清掃の基本と病院感染対策、③医療行政と病院清掃、④フリーディスカッション(質疑応答)、⑤考査

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2.「サービスマーク認定制度」の認定を受けている
(一財)医療関連サービス振興会が提供する「サービスマーク認定制度(院内清掃)」を取得した清掃事業者であれば、厚生労働省令で定める諸基準に適合していることが認められるため、委託事業者を選ぶ際にも安心です。
「サービスマーク認定制度(院内清掃)」を取得した清掃事業者は全国に約1,400社(令和6年2月認定時)おり、諸規定に準じた品質を提供しています。また、清掃事業者が「サービスマーク認定制度」を取得するには「病院清掃受託責任者講習」を修了した「受託責任者」が必須となります。

【医療関連サービスマーク認定制度】~事業者選定に活用できる事業者認定制度~

■医療関連サービスマーク認定制度
医療関連サービス振興会では、医療法令に定められた8種の委託可能業務について、厚生労働省令で定める基準に加えて独自の認定基準を定め、この基準を満たす事業者に対して「医療関連サービスマーク」の認定を行っています。「医療関連サービスマーク」は、事業者が委託基準に適合しているかを判断する一つの指標になっています。なお「病院清掃受託責任者講習」は、本制度の指定講習会として、認定要件の一つに位置付けられています。

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3.「感染制御衛生管理士(ICCC)」の資格を取得している
清掃従事者の方にも感染対策の知識を求めたいと感じたことはありませんか?「感染制御衛生管理士(ICCC)認定講習会」では、清掃従事者自らが感染対策を行うことを目的に標準予防策を軸とした適切な個人防護具の着脱や手指衛生等の知識と技術を習得させています。近年では医療業界において本講習制度への関心が高まっています。

【感染制御衛生管理士(ICCC)認定講習会】~感染症対策に関する取組み~

■講習概要
「感染制御衛生管理士(ICCC)認定講習会」は、コロナだけではなく、注目すべき感染症や新たな感染症が広がる状況下において、清掃従事者が適切な清掃を行うだけの知識と技能を修得させることを目的とした講習会です。清掃従事者自らが自己防衛を行うことで、医療機関の業務負担の軽減に一役を担い、業界の社会的信頼を一層高めていくことを目的に設置された講習会です。
■目的
感染症対策を理解していることによる業務付加価値の提供
■開催時期
年2~3回開催(不定期) ※全国8地区での開催
■修了者数
537人 ※2023年度実施分まで
■カリキュラム
・学科講習:①医療関連感染制御、②感染症について、③感染対策における行政の役割、④責任者としての知識、⑤清掃の実務知識
・集合講習:①衛生的手洗い、擦式手指消毒、②PPE(個人防護具)の着脱方法、③吐瀉物処理、④病院清掃・消毒方法(ベッド周辺、トイレ清掃)、⑤考査

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■清掃事業者の選択方法
病院清掃の外部委託先事業者を選ぶ際には、金額だけではなく上記のような「品質」で選択することをオススメします。全国ビルメンテナンス協会が提供する「ベストビルメン」では、これらの要件を満たす事業者を検索し、問い合わせることができますので、ご活用ください。

ベストビルメン(清掃事業者の検索)はこちら

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3.医療法と関係法令等

医療法関係について

医療法とは 医療提供施設の管理に関する事項を定めた法律で、下記の図のような構成で成り立っています。特に病院清掃に関する部分を抜粋しましたのでご参考ください。

医療法について ※クリックで展開します。

医療法(抄)について【法律】
■昭和二十三年法律第二百五号
【直近改正】平成二十九年六月十四日公布(平成二十九年法律第五十七号)

(目的)
第1条

 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。

(定義)
第1条の5

 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

 2 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

第2条
 この法律において、「助産所」とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう。
 2 助産所は、妊婦、産婦又はじよく婦10人以上の入所施設を有してはならない。

(業務委託)
第15条の3第2項

 病院、診療所又は助産所の管理者は、前項に定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の業務のうち、医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務又は患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の入院若しくは入所に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該病院、診療所又は助産所の業務の種類に応じ、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。

医療法施行令(抄)について【政令】
■(昭和二十三年政令第三百二十六号)
【直近改正】平成三十年七月二十七日公布(平成三十年政令第二百三十号)

(診療等に著しい影響を与える業務)
第4条の7

法第十五条の二に規定する政令で定める業務は、次のとおりとする。

 一 人体から排出され、または採取された検体の微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査又は生化学的検査の業務
 二 医療機器又は医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒の業務
 三 病院における患者、妊婦、産婦又はじよく婦の食事の提供の業務
 四 患者、妊婦、産婦又はじよく婦の病院、診療所又は助産所相互間の搬送の業務及びその他の搬送の業務で重篤な患者について医師又は歯科医師を同乗させて行うもの
 五 厚生労働省令で定める医療機器の保守点検の業務
 六 医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務(高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)の規定により高圧ガスを清掃又は消費する者が自ら行わなければならないものを除く。)
 七 患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の寝具又はこれらの者に貸与する衣類の洗濯の業務
八 医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務のように供する施設又は患者の入院の用に供する施設の清掃の業務

医療法施行規則(抄)について【省令】
■(昭和二十三年厚生省令第五十号)
【直近改正】平成三十年七月二十七日公布(平成三十年厚生労働省令第九十三号)

(受託する業務を適正に行う能力のある者の基準)
第九条の十五

法第十五条の三第二項の規定による医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務の用に供する施設又は患者の入院の用に供する施設の清掃の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所又は助産所における当該業務を委託する場合にあつては、この限りではない。
 一 受託業務の責任者として、施設の清掃に関し相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
 二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
 三 真空掃除機(清潔区域(手術室、集中強化治療室その他の特に清潔を保持する必要のある場所をいう。)の清掃を行う場合にあっては、高性能エアフィルター付き真空掃除機又はこれに代替する機能を有する機器とする。)、床磨き機その他清掃用具一式を有すること。
 四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
  イ 区域ごとの作業方法
  ロ 清掃用具、消毒薬等の使用及び管理の方法
  ハ 感染の予防
 五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
  イ 業務内容及び作業方法
  ロ 清掃用具
  ハ 業務の管理体制
 六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。

医療法の一部を改正する法律の一部施行について(抄)【局長通知】
■(平成5年2月15日健政発第98号)
【直近改正】平成30年10月30日医政発1030第3号
各都道府県知事殿 厚生省健康政策局長

1.業務委託全般について
(1)趣旨
病院、診療所又は助産所の管理者は、医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号。以下「平成29年改正法」という。)による改正後の医療法第15条の3第1項及び新政令第4条の7各号に掲げる業務を委託する場合には、業務の種類に応じ、それぞれ医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の一部を改正する省令(平成30年厚生労働省令第93号。以下「平成30年改正省令」という。)による改正後の医療 法施行規則第9条の8及び第9条の9から第9条の15までに規定する基準に適合する者に委託しなければならないものであること。
(2)受託者の選定
病院、診療所又は助産所の管理者は、平成29年改正法による改正後の医療法第15条の3第1項及び新政令第4条の7各号に掲げる業務を委託しようとする場合には、受託者の有する標準作業書、業務案内書等により、当該受託者が、業務の種類に応じ、それぞれ平成30年改正省令による改正後の医療法施行規則第9条の8及び第9条の9から第9条の15までに規定する基準に適合する者であることを確認した上で、受託者を選定すること。
(3)標準作業書及び業務案内書
標準作業書は、受託業務の適正化及び標準化を図るためのものであり、業務案内書は、受託する業務の内容、方法等を明確にするためのものであること。また、受託者は、医療機関から標準作業書又は業務案内書の開示の求めがあった場合には、速やかに提示することができるよう、標準作業書及び業務案内書を整備しておくものであること。
(4)労働者派遣契約との関係
平成29年改正法による改正後の医療法第15条の3第1項及び新政令第4条の7各号に掲げる業務の委託は、請負契約に基づく業務委託であって、労働者派遣契約とは異なるものであるので、病院、診療所又は助産所の管理者は、業務委託に際し、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年4月労働省告示第37号)」に留意されたいこと。

9.施設の清掃の業務(新省令第9条の15関係)
(1)業務の範囲等に関する事項
ア 施設の範囲
平成30年政令による改正後の医療法施行令第4条の7第七号に規定する施設は、診察室、手術室、処置室、臨床検査施設、調剤所、消毒施設、給食施設、洗濯施設、分娩室、新生児の入浴施設、病室等の医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務の用又は患者の入院の用に供する施設をいい、給水施設、暖房施設、汚物処理施設、事務室等は含まないものであること。
イ 業務の範囲
平成30年政令による改正後の医療法施行令第4条の7第七号に規定する清掃とは、日常的に行われる清掃業務及びこれに付随して行われる消毒業務をいい、環境測定、ねずみ、こん虫等の防除等は含まないものであること。
ウ 労働者派遣事業により行われる清掃業務との関係
清掃業務については、請負契約によるものと労働者派遣契約によるものがあるが、平成30年政令による改正後の医療法施行令第4条の7第七号に掲げる業務の委託は、請負契約による業務委託であること。
(2)人員に関する事項
ア 受託責任者について
新省令第9条の15第一号に規定する相当の知識とは、次に掲げる事項についての知識をいい、相当の経験とは、医療機関の清掃業務を含む清掃業務についての3年以上の実務経験をいうものであること。
①作業計画の作成
②作業の方法
③作業の点検及び業務の評価
④清潔区域等医療施設の特性に関する事項
⑤感染の予防
イ 従事者について
新省令第9条の15第二号に規定する必要な知識とは、次に掲げる事項についての知識をいうものであること。
①要求される清潔さが異なる区域ごとの作業方法
②清掃用具、消毒薬等の使用及び管理の方法
③感染の予防
(3)構造・設備に関する事項
清潔区域の清掃業務を受託しない者については、高性能エアフィルター付き真空掃除機又はこれに代替する機能を有する機器を有することは要しないものであること。
(4)業務案内書に関する事項
清潔区域の清掃業務を受託しない者については、その旨を業務案内書に明記すること。
(5)従事者の研修に関する事項
新省令第9条の15第六号に規定する研修は、施設の清掃の業務を適切に行うために必要な知識及び技能を修得することを目的とし、次に掲げる事項を含む研修であること。
①標準作業書の記載事項
②患者の秘密の保持
③受託責任者にあっては、医療法、医師法等の医療関係法規及び労働関係法規

病院、診療所等の業務委託について(抄)【課長通知】
■(平成5年2月15日指第14号)
【直近改正】平成30年10月30日医政地発1030第3号
各都道府県衛生主管部(局)長殿 厚生省健康政策局指導課長

第一 受託者の選定について

 法第15条の3第1項及び令第4条の7の各号に掲げられた業務については、一般財団法人医療関連サービス振興会が医療関連サービスマーク制度を設け、一般財団法人医療関連サービス振興会が定める認定基準を満たした者に対して、医療関連サービスマークを交付することとしているところであるが、厚生労働省令で定める基準に適合している者であれば、医療機関等が同サービスマークの交付を受けていないものに委託することは差し支えないものであること。

第九 施設の清掃の業務について(令第4条の7第7号関係)

1.受託者の業務の実施方法等
(1)受託責任者の職務
受託責任者は、業務が円滑に行われるよう従事者に対する指導監督を行うとともに、定期的な点検を行い、その結果を医療機関に報告すること。また、医療機関側の責任者と随時協議を行うこと。
(2)作業計画の作成
受託責任者は、業務が円滑に実施されるよう、契約内容に基づき、医療機関の指示に対応した作業計画を作成すること。
(3)清掃の方法
従事者は、清掃用具や消毒薬等の薬液を適切に使用・管理し、業務を行うこと。なお、清掃用具は区域ごとに区別して使用することが望ましいこと。また、消毒に使用するタオル、モップ等は清掃用のものと区別し、適切に使用・管理すること。
(4)清潔区域の清掃及び消毒の方法
清潔区域の清掃業務に当たっては、入室時の手洗い、入退室時のガウンテクニックの適切な実施、無影燈、空調吹き出し口及び吸い込み口の清掃並びに消毒、高性能エアフィルター付き真空掃除機を使用した業務の実施等、区域の特性に留意した方法により行うこと。
(5)特定感染症患者の病室の清掃の方法
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等により定められた特定の感染症患者の病室の清掃及び消毒業務を行う場合には、退室時の手洗い、入退室時のガウンテクニック、汚物などの適切な取り扱いなどにより、感染源の拡散を防止すること。
(6)感染性廃棄物の取扱い
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に基づいて感染性廃棄物を取り扱うこと。
(7)作業記録等の業務関係帳票
受託者は、作業の実施状況を記録し、また、医療 機関から開示の求めがあった場合には提示すること ができるよう、作業記録などの業務関係帳票を備え、2年間保管すること。
(8)再委託
受託業務のうち、日常的な清掃業務は再委託してはならないこと。日常的な清掃業務以外の業務を再委託する場合には、医療機関から直接業務を受託した者が、医療機関との関係において当該業務に対する最終的責任を負うものであること。また、再委託先の名称、業務内容について、医療機関に対して事前に十分な説明を行い、その了解を得ること。

2.医療機関の対応
(1)業務責任者の選任
医療機関は、業務が円滑に実施されるよう管理するために必要な知識と経験を有する責任者(以下「業務責任者」という。)を選任すること。また、委託 契約に当たっては、業務責任者の意見を反映させること。
(2)業務責任者の職務
業務責任者は、業務が適切に実施されるために必要な事項や受託業務に従事する者の安全を確保するために必要な事項などを受託者側の受託責任者に指示するとともに、事故発生時には適切に対応すること。
また、業務責任者は、業務が円滑に実施されるよう、受託責任者と随時協議すること。さらに、医療機関の職員が従事者に対して指示をする場合は、原則として業務責任者を介して行うこと。
(3)連携体制
医療機関は、業務改善のための方策などを検討するため、受託責任者を含めた会合を定期的に開催するなど、受託者との連携を図ること。
(4)業務環境の整備
医療機関は、従事者の控室、清掃用具の保管場所、従事者の作業衣や清掃用具の洗濯場所を確保するなどにより、従事者が業務を適切に実施するための環境を整備することが望ましいこと。

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