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ビルクリーニング特定技能2号合格者インタビュー FILE 1

6月28日に「第1回ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」の合格者が発表されました。合格者は30名中わずか3名。全国協会としては、特定技能2号を目指す方々がより一層実務と勉強を積み重ね、本試験に合格し、ビルクリーニング業界の中核を担う人材になってほしいと考えています。
そこで、今回は特定技能2号評価試験の合格者と企業担当者にインタビューを行いました。
合格に向けてどのような勉強を行ったのか、企業としてどのようなバックアップを行ったのか等、さまざまなことをお伺いしました。
現在合格を目指している方に向けて、合格からのメッセージもいただきましたので、是非ご覧ください!

●合格者
株式会社ザイマックスサラ
FAJARDO ROBERT GABRIEL SARTE さん
●合格者プロフィール
お名前 FAJARDO ROBERT GABRIEL SARTE さん
年齢 32歳
出身国 フィリピン
趣味 ドラム演奏、カメラ、ゲーム
経歴 2018年にフィリピンから日本の日本語学校に留学。留学2か月目より、株式会社ザイマックスサラでビルクリーニングのアルバイトを開始。2021年4月からはビルクリーニング分野特定技能1号として勤務し現在に至る。2023年12月には日本語能力試験N2に合格。

―――日本とビルクリーニングの仕事を選んだ理由を教えてください。

ROBERTさん 日本に来る前は、母国のゲーム会社で働いていました。フィリピンだと給料が安いため、将来について悩んでいた時に、日本にいる親戚に日本で働いてみてはどうかと提案され、日本に行くことを決意しました。

初めは、ビルクリーニング業界で働くことは考えてはいませんでしたが、この会社でアルバイトを始めたら、清掃の仕事の面白さに気づきました。例えば、汚れたカーペットをきれいに清掃できた時やお客さまに「いつもきれいにしてくれてありがとう」と声をかけられた時は本当に嬉しいです。そして、上司や一緒に働く人たちが清掃のプロフェッショナルですし、清掃の仕事は奥が深く、このまま続けて働きたいと思いました。


―――ビルクリーニング特定技能2号試験を受けようと思ったきっかけはなんですか?

ROBERTさん この会社で長く働きたいと考えていましたが、特定技能1号では、5年間しか日本で働けないので、会社と相談して特定技能2号を目指すことに決めました。

また、日本に長く滞在できることも魅力ですが、上司や先輩がやっている現場管理の仕事を見て、私もやってみたいという思いもありました。


―――いつ頃から現場管理の実務を始めましたか?

ROBERTさん 特定技能2号になるためには現場管理の経験が必要なので、2023年9月頃から現場責任者として、従業員のシフト・勤怠管理やお客様対応、資機材管理などの業務を始めました。以前から担当現場の責任者が不在の時はこれらの業務を少し経験していました。


―――現場管理の実務で苦労や嬉しかったことはありますか?

ROBERTさん 私の担当している現場の従業員は多国籍なので、現場の人間関係を良好に保つことが大変だと感じました。悩んだ時はすぐ上司に相談し、従業員とのコミュニケーションの取り方など色々なことを教えてもらいました。スムーズな作業のためにチームワークは大切なので、私から従業員に作業進捗を確認するなど積極的に会話をするようにしています。

正直、私が現場管理の業務をできるか自信がありませんでしたが、実際にやり始めてみると、上司や先輩が色々なことを教えてくれたので、私が想像していたより早く業務になれることができました。


―――特定技能2号評価試験の勉強を始めたのはいつ頃ですか?どのような勉強をしていましたか?

ROBERTさん 学科試験は4月頃から「ビルクリーニング技能検定模擬問題集」を使って勉強をしていました。実技試験については、上司が1週間に1問、作成した問題をメールで送ってくれました。回答する時は、キーボードを使うと漢字の勉強にならないので、手書きで回答するようにしました。また、本番は時間制限もあるので、時間を計って問題を解いていました。

本番の試験では、問題文の漢字にふりがながあると聞いていましたが、ふりがなで読めても意味が分からないと回答できないと思い、言葉の意味も理解できるように勉強していました。また、試験に出てくる漢字は、日本語能力試験N2で勉強する漢字とは異なり、専門的で難しいので、ビルクリーニングに関係する単語の漢字も合わせて勉強していました。


―――特定技能2号評価試験を受験してみた感想は?問題を解く際に意識していたことはありますか?

ROBERTさん 学科試験は勉強した問題が60%ぐらいでてきたので、勉強の成果が出て、嬉しかったです。

実技試験は、まずは分かる問題から解答を書きました。そして時間があまったら、詳細の内容を書くようにしました。試験勉強の時に全ての問題が解答できるように時間配分の練習をしていましたので、試験の時も時間を意識していました。分からない問題については、自分の担当物件だったらどのように対応するかを考えながら解答しました。


―――合格へのモチベーションを維持し、合格した秘訣を教えてください!

ROBERTさん 試験日まで時間が短いため最初は無理かもしれないと思っていました。しかし、会社の皆さんが失敗しても次の試験があると励ましてくれ、次もチャンスがあるなら大丈夫と思いました。また、上司や会社の皆さんが色々なことを熱心に教えて、応援してくれたので頑張れました。


―――今後のキャリアプランやプライベートの目標について教えてください。

ROBERTさん 上司や先輩がいろんな業務を行っていて、かっこいい、私も挑戦してみたいと思っているので、この会社で正社員になって、今の現場だけではなく、他の現場でも働いて色々な経験を積んでいきたいです。

プライベートでは、仕事を頑張っている母親を楽にさせたいです。また、長男として妹や弟も支えていきたいです。


●企業担当者インタビュー
株式会社ザイマックスサラ
人材開発部 マネジャー 黒木つかさ さん

―――黒木さんや会社からみたROBERTさんの人柄を教えてください。

黒木さん ROBERTさんはいつも笑顔で、いるだけで空気が明るくなります。彼の人柄はお客さまからも評判です。また、向上心が非常に高く、現場の上司からは仕事を覚えるのが速いと聞いています。

経験も豊富で、なにより清掃のことを極めたいと以前から話してくれていたので、ROBERTさんなら特定技能2号試験に合格できると思い、現場責任者に抜擢しました。


―――ROBERTさんに現場責任者を任せるあたり、会社としてどのようなバックアップをしましたか?

黒木さん 年齢や言語が違う人たちをまとめることは本当に大変なことです。やはり、彼にとってどういう話し方をすれば、相手が理解・納得してくれるのかというところはまだまだチャレンジングな部分かと思います。そのため、彼が迷ったらすぐに相談でき、一緒に解決していく体制を社内に整えています。

また、細かい作業に関しては、チャットやスプレッドシートなどを活用して進捗管理を行っています。あとは、週に1回共通の周知事項や課題、進捗を確認しあう部のミーティングに参加してもらっています。


―――ROBERTさんが特定技能2号評価試験を受けるにあたり、どのようなバックアップを行いましたか?

黒木さん 当社の研修担当が勉強教材を探したり、問題を作成したりと、マンツーマンで指導しました。実技試験については、サンプル問題が公開されるまでは、どのような問題が出題されるのかわからないので、協会のセミナーに参加して情報収集をしつつ、現場管理の実務を積み重ねてもらいながら、現場で起きうる事象、対応方法を一緒に考えてきました。サンプル問題公開後は、週に1問、ROBERTさんにオリジナル問題を出題し、解答の添削を行っていました。

また、週に1回本社に来て本番の試験環境を想定した模擬試験を受けてもらい、常に時間配分を意識するトレーニングも行ってきました。最後の追い込みは目を見張る集中度で、彼の新たな一面を見ました。


―――ROBERTさんが合格されたときの会社の様子を教えてください。

黒木さん 会社を挙げてROBERTさんを応援していたので、合格発表日は、みんなで彼の合格を喜びました。日本語能力試験の時もそうでしたが、努力して結果もしっかり出すので本当に素晴らしいと思います。実は、当社で初の特定技能1号評価試験合格者も彼で、当社ではパイオニア的な存在です。

彼が正社員として働きたいと思ってくれていることがとても嬉しいです。ぜひ様々な現場・業務にチャレンジして多くの経験を積み、どんどんステップアップしてほしいです。


―――貴社の今後の実習生、特定技能を含めた外国人材採用について、考えはありますか?

黒木さん 当社は、2019年より技能実習生、2021年に特定技能外国人の受け入れを始めました。現在は約125人が働いていて、200人規模を目指しています。

明るくまじめ、清掃スキルも高いと評判で、いまや当社にとってなくてはならない存在です。当社としては、彼らに長く働いてほしいと思っています。また、今後外国人材が増えていく中で、その人たちを管理する人材も必要になってくると考えていますので、希望する人には、適性を見ながら特定技能2号評価試験やビルクリーニング技能試験1級に合格できるようにバックアップをしていきます。


●合格者メッセージ