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ビルクリーニング特定技能2号合格者インタビュー FILE 2

6月28日に「第1回ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」の合格者が発表されました。合格者は30名中わずか3名。全国協会としては、特定技能2号を目指す方々がより一層実務と勉強を積み重ね、本試験に合格し、ビルクリーニング業界の中核を担う人材になってほしいと考えています。
FILE1に続き、特定技能2号評価試験の合格者と企業担当者にインタビューを行いました。

今回インタビューにご協力していただいたのは、受験者2名中2名合格、合格率100%の株式会社キョーエーメック。
これから合格を目指している方に向けて、合格者からメッセージをいただきましたので、是非最後までご覧ください!

●合格者
株式会社キョーエーメック
NGUYEN TRONG THAO さん
●合格者プロフィール
お名前 NGUYEN TRONG THAO さん
年齢 28歳
出身国 ベトナム
趣味 サッカー(会社のフットサル大会で大活躍するほどの腕前)
性格 温厚篤実
経歴 2018年2月にベトナムから技能実習生として来日し、2021年2月からはビルクリーニング分野特定技能1号として勤務し現在に至る。2020年12月に日本語能力試験N1を取得。来日して6年5か月。

●合格者
株式会社キョーエーメック
HOANG DUC TINH さん
●合格者プロフィール
お名前 HOANG DUC TINH さん
年齢 28歳
出身国 ベトナム
趣味 読書
性格 明朗快活
経歴 2019年2月にベトナムから技能実習生として来日し、2022年2月からはビルクリーニング分野特定技能1号として勤務し現在に至る。2020年12月に日本語能力試験N1を取得。来日して5年5か月。

―――日本とビルクリーニングの仕事を選んだ理由を教えてください。

THAOさん 家族のため、お金を稼ぐために日本に行くことに決めました。私がビルクリーニングを選んだ理由は、身体を動かす仕事で自分に合っていると感じたからです。

TINHさん 日本に来る前は、ベトナムの衣服の工場で働いていました。新しい仕事に挑戦したいと思い色々と検討した結果、日本で仕事をする決心をしました。日本は技術力が高く、報酬も良く、さらに安全な国だからです。
ケイミックス(※キョーエーメックのグループ会社)に、すでに知り合いの先輩が勤めていたので、ビルクリーニングを選びました。
会社は生活支援なども良いと聞いていたので、迷わず入社しました。そして、仕事をしていくうちにやりがいも出て、徐々にこの仕事が好きになりました。


―――現場責任者になろうと思ったきっかけはなんですか?

THAOさん 2023年8月に会社が開催してくれた『特定技能2号説明会』を聞いたことがきっかけです。特定技能2号になったら自分にとって色々とプラスがあると感じました。

TINHさん きっかけはTHAOさんと同じです。THAOさんとは同い年で仲が良いので色々と相談しました。
日本で長く働けてチームリーダー業務ができるチャンスだと感じ、現場責任者を目指そうと思いました。


―――現場責任者の実務はいつ頃から、どのような実務経験を積みましたか?

THAOさん TINHさん 2023年8月の新規現場立ち上げの際、会社から『現場責任者を目指さないか?』と声を掛けて頂き、現場責任者として働き始めました。シフトや出退勤管理、作業工程表作成の補助や作業員への作業指示、資機材管理、安全衛生管理について、上司から現場で教えてもらいました。
管理しているスタッフの人数は9~10人くらいです。ベトナム人のスタッフにはベトナム語、日本人のスタッフには日本語で指示しています。


―――現場責任者の実務で苦労したことや、嬉しかったことはありますか?

THAOさん 私はまだ日本語スキルが完全ではないです。上司や先輩からの指示を正確に把握し、部下に指示することが難しいです。小さな間違いでもクレームや事故に繋がる可能性があることを十分認識していますので、日本語のスキルアップのために日々勉強しています。
嬉しかったことは、部下にしっかりと指示ができて、現場をうまくまわせたことです。

TINHさん 私は、コミュニケーションが少し苦手です。現場責任者として、スタッフに協力してもらうために、どのようにしてコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていけるかを悩みました。そこで、ベトナムと日本の文化の違い、考え方の違い、仕事の仕方の違いなどをよく理解して、行動や発言をするように心がけました。例えば、日本人には少し遠回しな言い方、ベトナム人にはハッキリと伝えるなど対応を変えることです。上司や先輩が色々なことを教えてくれたので、私が想像していたより早く業務に慣れることができました。
嬉しかったことは、現場責任者になったことで自分ができる仕事の幅が増えて楽しくなったことです。


―――特定技能2号評価試験の勉強を始めたのはいつ頃ですか?どのような勉強をしていましたか?

THAOさん TINHさん 全国ビルメンテナンス協会から公開された学科試験問題と実技試験問題の勉強と、会社が考えてくれた実技試験問題を1か月間勉強しました。学科試験の勉強は、模擬問題集を解いていました。本番の実技試験はやはり難しく、すべての問題を解くことができませんでした。


―――合格へのモチベーションを維持し、合格した秘訣を教えてください!

THAOさん 「努力が必ず結果に結びつくと信じること」です。自分の頑張りが報われると信じることで、どんな困難も乗り越える力が湧いてきます。
会社が用意してくれた実技試験問題や過去問などを繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、試験形式に慣れることができました。単に暗記するだけでなく、内容をしっかりと理解することが大切です。理解を深めることで、応用問題にも対応できるようになります。

TINHさん 勉強は暗記だけではなく、自分が理解できるまでよく調べることです。
目標を明確にして努力を怠らないように、合格した自分をイメージして、常にモチベーションを高めていました。

THAOさん TINHさん
合格発表の時は家にいました。合格発表当日の10時ちょうどにホームページを開いたら合格でしたのでびっくりしました。すぐに上司に報告しました。本当にうれしかったです。


―――今後のキャリアプランや目標について教えてください。

THAOさん
日本は安全で、便利で好きです。今後、日本で長く働き続け、永住権を得るため、もっと頑張りたいと思います。
多くの現場でたくさんの経験を積んで、後輩のベトナム人に伝えていきたいです。

TINHさん 現場責任者や今回の試験など色々な経験をして、色々な角度・立場から物事を見ることができるようになりました。
これからも、もっと経験や知識を重ねてさらに上を目指し、会社の力になり、貢献したいと思います。
国に帰ることになっても、日本での経験や学んだことを活かして活躍したいと思います。


ベトナム出身で同い年のTHAOさんとTINHさん。
切磋琢磨する仲であることが想像できます。二人とも合格できて良かったですね!

株式会社キョーエーメック 山口社長からお二人へ合格証明書が授与されました。


●企業担当者インタビュー
株式会社キョーエーメック
 代表取締役社長 山口 拓郎さん
 常務取締役 石田 一幸さん
 総務部長 常深 智さん

―――合格されたお二人への評価を教えてください。

二人の合格は、弊社にとって大きな喜びであり驚きでもあります。
二人は日本語能力試験N1を取得しているため、日本人とのコミュニケーションに全く問題がありません。
弊社にはベトナム人の技能実習生12名、特定技能37名、計49名が在籍しておりますが、二人はベトナム人社員の模範であり、今回の特定技能2号評価試験の合格により社員の大きな目標となりました。
日本語は難しく、読めても意味まで理解できない人が多いです。その点二人は大丈夫です。意味が理解できない時に自分たちで調べて、しっかりと意味を理解することができています。


―――お二人を現場責任者に抜擢した理由を教えてください。

第一は、二人はN1を取得しているため、日本人とのコミュニケーションに全く問題がないことです。
第二は、日本人と比較しても遜色のない清掃スキルを持ち合わせていること。
第三は、日本人・ベトナム人の取り纏めができることです。


―――お二人にどのようなプロセスで現場責任者を任せましたか?

2023年9月の新規現場の立ち上げに、二人を現場責任者に登用してはどうかとの声があり、それを前提に2023年4月に二人の給与を改定しました。
そして、2023年7月の社内会議において二人を管理している担当部長より、新規現場のオープン立ち上げ時から現場責任者として登用したいとの意向があり承認しました。
立ち上げでは、二人に現場のシフトや出勤管理、作業工程表作成の補助や作業員への作業指示、資機材管理、安全衛生管理を担当してもらいました。


―――お二人の試験勉強にはどのようなバックアップをされましたか?

二人からは学科試験の勉強は自分たちで行うので、実技試験の勉強を支援してほしいとの申し出がありました。
そこで、公開された実技試験問題や、オリジナル問題を20問くらい作成し、二人に解いてもらいました。
二人に正解を教えることはせず、問題ごとに現場責任者としてどのように考え、対応すべきかを徹底的に考えてもらいました。
二人とも仕事が終わってから自主的に試験勉強を行っていました。


―――お二人が合格されたことを知った時の感想はいかがでしたか?

試験当日は試験会場に同行し、試験開始前に『学科試験50問の65%以上33問正解、実技試験10問の65%以上7問正解を目指して欲しい。』と伝えました。
試験を終えた二人の感想を聞いた時に、もしかしたら合格できるかも知れないと思いましたが、確信までには至らなかったので、二人から合格の知らせを聞いた時は本当に嬉しく思いました。すぐ山口社長に報告しました。


―――貴社の外国人採用のプランを教えてください。

二人は日本人・ベトナム人社員にとって模範となる人物であると確信しています。今後は責任者として、弊社に大きく寄与してくれることを期待しています。
今後、日本の労働力不足は、更に拡大が予測されます。弊社は今後も継続的に実習生の受け入れから特定技能1号への移行により8年間の人材を確保し、特定技能1号社員の積極な採用や、優秀な外国人材の特定技能2号への登用を進めて参ります。

最後に合格された二人から、これから特定技能2号評価試験を受験される方へ熱いメッセージをいただきました!
是非メッセージを見て、合格を目指して頑張ってください!


●合格者メッセージ
NGUYEN TRONG THAO さん

HOANG DUC TINH さん

●インタビュー後記

合格者お二人ともに、山口社長から「特定技能2号のトップバッターになって欲しい」という熱い想いが励みになったとのこと。これで終わりではなく、次は1級ビルクリーニング技能士の試験合格を目指しているそうです。お二人の向上心に感銘を受けました。

2回にわけてお伝えしたインタビューですが、合格者3名と二社のインタビューを通じて、合格者と企業が密にコミュニケーションを取り、相互理解や尊重を深め、厚い信頼関係が構築されていることが伝わってきました。 まだ始まったばかりのビルクリーニング特定技能2号評価試験。この試験に合格するためには受験者自身の向上心と、受験者と企業が一体となって試験勉強に取り組むことが必要不可欠であると痛感しました。