

【生産性向上の支援・情報提供】第4弾 <世界最小軽量級の遠隔支援カメラで出張回数・人数を削減 設備管理の「働く」を変える>
第4弾
世界最小軽量級の遠隔支援カメラで出張回数・人数を削減 設備管理の「働く」を変える
わずか29gという軽さの軽量小型リアルタイム映像DXソリューション「XactiLIVE(ザクティライブ)」。約30gというと、空のペットボトル1本やボールペン3本ほどの重さ。既存の遠隔カメラは、ヘルメットにカメラを取り付けるものが主流の中、XactiLIVEはメガネや帽子、スーツや作業服のポケットなど、どこへでも装着できる。オフィスやマンションなどヘルメットを必須としない現場でも使いやすく、装着場所を選ばないカメラへのニーズが高まる中、その仕様が評価され「CEATEC AWARD2023」にてデジタル大臣賞を受賞している。
今回は、ビルメンテナンス企業への導入数も増加している、遠隔カメラ×AIの遠隔支援ソリューションについて、株式会社ザクティの喜久川社長に話を伺った。
今回の生産性向上のポイント |
以下の生産性向上に資するメリットを享受
遠隔支援ソリューションの導入によって
◆ 5回/月の出張 → 導入後3.5回/月に
◆ 出張人数も37%減
空いた時間計14時間/月を別業務にあてられるように
1人1回5千円の外出出張費用と仮定した場合
3.4万円/月(41万円/年)の経費削減
5か月で初年度発生費用以上の経費削減効果を実現!
※㈱ザクティの顧客アンケート平均回答より
◆◇◆
インタビュー
株式会社ザクティ
代表取締役社長CEO:喜久川 政樹氏

―― どうしてこのような小型カメラとAIソリューションを組み合わせたサービスを始められたのでしょうか。
一番は、お客さまからのお悩みの声が増えているので、何とか解決できないかという思いからです。昨年2024年に入って、新規の問い合わせも急激に増えたんです。サイトのアクセスも1年前の約5倍にもなりました。
そこにはやはり少子高齢化の影響が大いにあると考えています。私も60歳になりましたが、街を歩いていても全然若手だなって思いますね。どこに行っても高齢者が多い。2050年には65歳以上の方の割合が37%以上にもなると言われていますし、少子高齢化社会がこれからも進んでいく事は明白です。どうしたって若者がすぐに増えることはないですから、数少ない若手人材をどう育てて、シニア層をどう活かしていくのかというのが、どうしても解決すべき社会課題であると危機感を感じています。
ひとつは、熟練管理者が退職して人数が減っていき、また当然体力の衰えもあるなかで、熟練管理者一人で管理できる社員や現場を増やすことができないかということ。もう一つは、数少ない若手社員や外国人労働者を育成する期間を短縮させて、早期にプロフェッショナル化させることができないかということ。
この2つの課題を、遠隔カメラとAIを活用して、実際の現場と映像を確認する管理者側とを繋ぐプラットフォーム全体で支援することができると考えています。
―― そもそもなぜ世界最小軽量級のカメラが実現できたのでしょうか。
この製品は、カメラ自体に記録メディアを一切搭載していません。カメラと手持ちのスマホをつないで、サーバーを通してデータを管理し、遠隔で確認したり、指示をするための遠隔支援に特化しています。それによって、従来は200gくらいの重さだったものが、ここまで小型軽量化できました。
元々弊社はパナソニック・三洋電機グループから分離独立した会社です。三洋電機でデジタルカメラやムービーカメラの開発に取り組んでいた技術者たちが、分社後も継続して取り組んでいます。
ただ小さくて軽いだけではなく、弊社独自の画像処理技術によって、映像のブレを抑えたり、傾きを抑えて水平を維持することができる点も特徴です。このブレ補正というのが、ものすごく強力でアピールポイントとなります。また、4Kと同程度の映像を常に撮っていて、その半分を常時色補正をするような技術も使われています。また、重力センサーを使って常に水平を維持することができるので、現場で頭にカメラを付けたまま覗き込むような姿勢を取っても、遠隔で受け取る映像は一切傾かないんです。
ブレ補正機能 https://youtu.be/8ob0ys7m8Gc?si=vHd_ujRfunz0aUme
水平維持機能 https://youtu.be/JAuC2ZJMhRE?si=P_rUTieL0lvOOWbi
これらの技術によって、映像酔いをすることなく、遠隔地にいる本部に正確に情報を届けることができ、円滑なコミュニケーションを図ることができます。
―― このブレ補正、水平維持機能、すごいですね! カメラが傾いているのに映像が傾かないのが不思議です…。その他にも特徴はありますか?
カメラ技術だけでなく、弊社が独自開発した映像DXプラットフォーム(Xacti Booster platform)を提供しています。映像の受け手である遠隔地から、ワンクリックで映像の明るさ調整したり、スーパーズームで細部に寄ったり、AIモザイクで通行人の顔が記録されないようにするなど、さまざまな操作が可能になっています。
お客さまの現場によっては、必ずしも電波がいい場所ばかりではありません。映像データは、文字情報などに比べて非常に重くなりがちですが、電波の強度を見ながら、データを通しやすくするためにコントロールして重さを落として映像を滑らかにするという技術も、このアプリケーションを通して実現できています。
また、製品導入時には、操作方法のレクチャーなどはもちろん、さらに有効に活用頂くためのサポート体制も強化しています。お客さまはカメラが欲しいのではなくて、その先のどんな効果が得られるかというところが重要なので、導入支援も行いながら、お客さまからご要望があれば、さらに製品のアップデートへと昇華していく、というサイクルを大切にしています。
―― ビルメンテナンス業界では、どのように取り入れられていますか?
建設業、鉄道会社、産業機械、電力設備業などさまざまな業種から、問い合わせや導入依頼をいただいています。
その中でビルメンテナンス業者からの依頼も増えています。主には、ビルやマンションなどの設備の定期点検や、修繕業務などに、遠隔支援を導入検討される会社が多いです。ビルやマンションなどの外壁にひび割れや腐食がないかなどの定期点検や、給排水設備の異常確認、電気設備のブレーカーのチェック、配電盤の計器、表示灯の異常確認、ボイラ室の水位計・燃料計・圧力計などの数値確認など、さまざまな用途で活用されています。
例えば、オフィスやマンションの管理をされているA社の事例をお伝えしますと、建物のひび割れ、水漏れ、ブレーカーのon/off等の確認などの設備巡回点検用に導入いただきました。導入前は、若手社員や派遣社員で点検を行っていましたが、専門知識も必要なため、指導員も現場に同行が必要でした。また、iPadを使用して動画撮影でエビデンスを残す場合、一般人の顔が写ってしまうため使用できない場合がありました。導入後は、リアルタイム映像で指示ができるようになり、現場に行く作業員を2人から1人に削減することができました。遠隔側からのスーパーズーム機能によって、細かい場所の確認がスムーズに行えるというお声をいただいています。
また、AIモザイク機能によって、人の顔をリアルタイムに検知しモザイク処理ができるので、セキュリティ対応が図れる、という点でも喜ばれています。
―― 実際に導入された事例では、どのような効果が出ていますか?
導入企業様では、平均で月5回出張に行っていたところ、導入後は3.5回に減っています。さらに、出張人数も、37%削減できています。外出・出張に2時間の移動が発生している場合では、月14時間が空くことになるので、その分別業務に充てられるようになります。
お客さまにたずねると、人手不足の対策や、費用削減に繋がったことはもちろんですが出張回数・人数の削減によって「空いた時間を別の業務に充てられるようになった」ということが、一番メリットに感じて頂いているようです。導入企業さまの平均的な出張回数・人数から費用換算すると、毎回1人あたり5千円の外出出張費と仮定した場合、月3.4万円、年間にすると41万円の経費が削減できています。XactiLIVEの初年度導入費用が15万円なので、5か月で導入費用を上回る削減効果を得られていることになります。
―― なかなかデジタルの活用、いわゆるDXに踏み切れない会社さんも多いと思うのですが、どのように取り組んでいくのがよいでしょうか。
ウェアラブルカメラ導入時には、現場からネガティブな意見が出ることもよくあります。「カメラをつけるのが邪魔で、面倒」「見張られているようで嫌な感じがする」「細かいミスなども記録されているかもしれないと思うと不安」「プライバシーが侵害されるようで心配…」などさまざまです。
しかし、効率的な作業ができることはもちろんのこと、事故やトラブルが発生した際にもエビデンスが残るため、自己防衛にも繋がります。また、建設業などでは公共工事の入札事業者には「遠隔臨場(遠隔での現場確認)」対応が義務化されていることから、今後はますますDX導入の動きが高まってきます。
会社としてDXによる改革を絶対に実現するという方針の徹底、現場にもメリットがあることを訴求できている会社さんが、DX導入で課題解決されていることが多いように思います。
―― ありがとうございました。
株式会社ザクティ
【大阪本社/開発センター】
〒531-6030 大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号
梅田スカイビルタワーイースト30階(総合受付)
【東京本社】
〒100-7014 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー14階
TEL: 03-5214-1777(代表)
代表取締役社長 CEO: 喜久川 政樹
事業内容: 映像DXソリューション・開発/PoC受託サービスの提供
https://xacti-co.com/
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