unnamed kikenai-ai-sp

いまさら聞けないChatGPT(生成AI)講座 第3回

2025/04/17 10:00

1. 何を聞いたらよいのか?

前回までのChatGPTの基本的な使い方や注意点はご理解いただけましたでしょうか。さて、今回からは仕事に生かすための実践的な内容に踏み込みます。

1-1.ChatGPT に聞く

ChatGPTの画面を見せられても初心者は「何を質問してよいのかわからない」「自分の仕事にどう活かせるのか?」という疑問が壁になるかもしれません。その解消方法はAIの性質を逆手に取って「ChatGPTに聞けば良い」ということに落ち着きます。 あなたと同じ業種・属性の方たちがもう何度もChatGPTを使っています。生成AIの本質として「聞かれたことを学習している」わけですから、「何を学習したのか?」と聞けば良いのです。
例えば、オフィスで総務の仕事をしていたら何に使えるかを聞いてみました。(図1)

素直に答えを教えてくれますね。
この図から、例文やテンプレート、メールの文面、チェックリスト、手続きの流れの説明などを出力させられることが伺えます。これらの質問は総務で働く方にとって役立つ内容でしょう。

1-2.活用方法をまとめさせる

また、視点を変えて自分の仕事でChatGPTが何に活用できるかの質問をしても有益です。この場合、さらに表にまとめませると一目瞭然です。(図2)

ChatGPTができることは多岐にわたり、これらの解説を一つ一つ文章にしてしまうと長大な記事になってしまうので、このように要所で表にまとめた画像を掲載させていただきます。

2. プロンプト(質問)の考え方

ChatGPTに入力する質問のことを「プロンプト」と呼びます。効果的なプロンプトを考えるのは奥が深く、仕事を効率的に進めるためのコツとなります。

2-1.プロンプトを教えてもらう

世の中には「〇〇式プロンプト」という類の手法がたくさんありますが、エンジニアでない限り一つ一つ覚えなくても大丈夫です。
このプロンプトもChatGPTに教えてもらえば良いのです。
「稟議書のひな型を作るために役立つプロンプトを教えてください」と質問した回答を参考にしてください。(図3)


2-2.ひな型・テンプレートを出力させる

実際に図3の最初の例「勤怠管理システム刷新に関する稟議書」のひな型を出力させました。(図4)

上記のひな型をWord形式のファイルに出力させることができます。(図5)

実際にWordで開いた稟議書のひな型です。(図6)
ここまでできれば作業効率が大きく高まりますね。


3.ChatGPT の各種機能・画面解説

「質問したら答えてくれる」という生成AIの基本がわかれば、あとは各種機能を活用してさらなる効率アップを図れます。

3-1.ChatGPT のメイン画面

ChatGPTのメイン画面の解説です。(図7)

①の入力欄に質問(プロンプト)を入力していきます。マイクを繋げていれば音声入力も受け付けられます。

画面左側にはサイドバーがあり、②のアイコンをクリックするとサイドバーを閉じたり開いたりすることができます。サイドバーには、GPTの各種機能やプロジェクト機能(フォルダ作成)、過去の質問のやり取りの履歴などが並びます。

ChatGPTの各種設定は右上のアイコン③から設定します。

④で言語モデルを選択できます。深い推論をさせたいときには推論に強いモデルを選ぶと便利です。通常はデフォルト(規定)の4o(フォーオー)モデルで十分なので、初心者は特にここを操作しなくても大丈夫です。

3-2.ChatGPT の入力欄

では、入力欄にクローズアップして見てみましょう。(図8)

入力欄左側の「+」のマークは、ファイルをアップロードできる機能です。
画像ファイルやWord形式ファイルなどをPCやGoogleドライブなどから選んでアップロードできます。(図9)

アップロードするファイルに対して「要約して」や「この画像をジブリ風にして」などのプロンプトを追加してChatGPTに指示を出せます。
②の検索は、インターネット検索ができるもので、このボタンをオンにして「〇〇の最新情報をネットで調べてください」などのプロンプトで、ネット検索を融合した回答生成ができます。(図10)

大谷翔平選手などのスポーツ選手を調べると写真も表示されることがあります。
③の「Deep Research」は、ChatGPTに深く考えて調べさせることができる機能です。
試しに「ビルメンテナンスを請け負う業者からの視点で、全国的な問題を幅広く調べてください」という依頼のプロンプトを入力してみました。(図11)

33ものサイトを詳細に調べ、レポートをまとめてくれました。

④は、各種ツールで画像を生成させたり、ワープロソフトのように文章を編集できる「Canvas」機能が用意されています。
先ほどの稟議書のひな型づくりのやり取りで「Canvas」をクリックして「編集したいです」と送信すればCanvas機能が起動します。(図12)

ここでは、文面を編集できますし、新たな指示を出して生成内容を変えることもできます。

4.ChatGPT の利用料金

ChatGPTには魅力的な機能が満載ですが、料金プランによって機能の差や制限があります。(図13)

無料プランで使える機能も多彩ですが、仕事で多くの作業をこなすには回数制限がかかって使いにくいと思われます。

Open AI公式サイトにChatGPTの料金表が掲載されています。(図14)

【著者紹介】

杉山 貴思(すぎやま たかし)


【現職】G-word(グッドワード)代表
【肩書】次世代人工知能学会副会長/ソブリンAIプロデューサー/ビジネスコンサルタント

ChatGPT 等の生成AIを中心にテーマとして全国で登壇活動をこなす。衆議院会館や国連大学、早稲田大学、学習院大学、山形大学等で登壇し、生成AIのデモンストレーションが参加者から好評。国内初の(一社)日本情報技術協会認定AIプロデューサーで企業・組織のイノベーションを指導する実力者。複数の大学教授らとのAI研究に参加。ECコンサルタントとしても多数の実績がある。小冊子やハンドブック、雑誌コラムなど執筆もこなす。YouTubeに最新のビジネス情報を公開し、大学関係者や企業家等から好評を得ている。
【Webサイト】
https://www.g-word.jp/
https://ameblo.jp/g-word