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CASE89 台車で資機材を運ぼうとして、閉じてきたドアに手を挟む!―ドア開放のルールと台車運搬の2つの面から考えよう―

2025/04/25 10:00

【事故エピソード】

Aさん(65歳)は、ショッピングセンター内の飲食店舗の定休日を利用して、定期清掃、ワックス掛けの作業を行うため、店舗内に資機材を運んでいました。入口のドアは鉄製で重く、前後の開き扉になっていていたので、作業時はドアを開放し、入口の隅にあったストッパーで固定していました。
重量のあるポリッシャーやバキュームを他の作業者と二人で運んだ後、洗剤、ワックス、バケツ、モップなどの細かなものをひとまとめにして台車に積んで運び入れようとしました。
ドアから中へ入ろうとしたところ、止まっているはずのドアが閉じかけてきて、台車の把手を持つ手にあたり、左手小指を数センチ切ってしまう事故となりました。

[1]事故の原因は2つ

今回の事例の原因は大きく二つが考えられます。一つは「開けていたはずのドアが閉まりかけてきたこと」と、もう一つが「台車を運搬するときの把手を持つ手の位置」です。
しばしば“閉まりかけてきたドア”だけに焦点があたり、“把手を持つ手の位置”について見逃されてしまいがちですが、台車運搬時の事故では、把手を持つ手を壁との間で挟む、積んだ荷がズレてきて手に当るなど、把手の持ち方に原因があることも少なくありません。

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