CASE77 洗剤、カビ取り剤は身近な化学物質、取り扱いに注意!
―化学物質管理者、保護具着用責任者の選任、4月から義務化へ―
【事故エピソード】
市民ホールの清掃業務を請け負っているX社、現場の責任者Aさんは、昨夜大きなイベントが開催されたためこの日はいつもより30分早めに朝7時半から4人で清掃作業を開始しました。2時間ほど経過し、残る作業のスペースがわずかとなった時、スタッフのB子さん(65歳)が「後は3人で大丈夫そうだから、私は裏階段を見てきます」と言って自在ボウキとちり取りを持って現場を離れていきました。
なかなか戻って来ないB子さんのことが気になったAさんが裏階段へ向かうと、踊り場でうずくまっているB子さんを見つけました。自在ボウキに足が突っかかり、前のめりに5段ほど落下、ひざ、腰を強打し、痛みで動けない状況で、すぐに救急車を呼ぶ事態となりました。
裏階段はこの日の清掃エリアには含まれていませんでしたが、B子さん、昨夜は多くの関係者が裏階段を使っただろうと、機転を利かせたようです。
[1]毎日同じ業務だから、特に作業計画は作っていない?!
事故報告を受けて、その事故の状況を確認する際、必ず「この作業について計画書はありましたか?」とお尋ねします。ほとんどが「毎日同じ作業ですから、特に計画書はありません」との回答です。「毎日同じ作業ですか?」と重ねて確認すると、「多少の変更はありますが、ほぼ同じです」と返ってきます。
事故はこの“多少の変更”によって引き起こされます。今回の事例も、いつもより施設の利用者が多く、床の清掃、回収ゴミの量は多くなっていたでしょう。そこで作業開始を少し早めたわけですね。
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