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現場から、本社から、より良い未来を追求する、それぞれの「エース」社員。

2023/02/20 17:30

2023.2.20 17:30 更新

「カッコいい」が原動力。ビルメンテナンスの視点から未来を考える現場のエース。

―― 早速ですが、まずは實吉さんからお話を伺いたいと思います。入社の経緯について教えてください。

實吉 「カッコいい」と思ったことがきっかけですね。

―― 「カッコいい」ですか。どのような切っ掛けでそう感じられたのですか?

實吉 ミカサに入社する前、某ショッピングモールに入居している書店で働いていたのですが、私の担当売り場でお子さんが吐いてしまいました。
それをビルメンテナンスの方が清掃していく姿を見て、「カッコいいな」と感じたんです。
書店に務める前、高校生の頃に清掃のアルバイトとして働こうかと思ったこともありましたが、当時は校則でアルバイト禁止だったこともあって、「学校にばれなさそうな仕事」として考えていたぐらいだったのですが、印象ががらりと変わりましたね。

―― そこから転職を決意されたのでしょうか。

實吉 それからすぐに、というわけではありませんでした。
当時は山口県に住んでいて、福岡への引っ越しを機に「それなら清掃の仕事をやってみたい!」と思い立ち、ミカサと縁があったという感じです。
それから、1年ほど地下鉄駅の清掃をやらせてもらって、本社へ転属となり、現場サポートとして定期清掃に入ったり、いろんな経験をしてきました。今はここ(福岡空港)に異動して2年目になります。

―― 学生の頃の夢はまた違ったということですね。

實吉 デザインやイラストの道に進みたいと思っていたので、まったく方向性が違いましたね。
書店に務めていたのは、その辺りが理由でした。絵を描くことが好きなので、そっちはプライベートの時に続けています。

―― 清掃の仕事が「カッコいい」とのことでしたが、これからのビルメンテナンスの仕事にどんな可能性があると思われますか?

實吉 大きな視点でお話するのは難しいですが、ビルメンテナンスは環境問題に携わることのできる仕事だと思っています。
空港一つとっても、ごみ回収をしているだけでも、とにかくごみの排出量が多い。分別の問題などもありますが、特に感じるのは食品ロスですね。

―― 食品ロスですか?

實吉 国際線空港特有の事情だとは思いますが、ペットボトルやお弁当など、保安検査で持ち込めないことを知らずに買ってしまい、そのまま捨てられている方が多いんです。それがなくなるだけでも、年間で相当量の削減になります。
例えば「買う前に分かる」よう、海外の方にも伝わりやすいイラストを使った案内だったり、ごみ箱のデザイン改善だったり。まだ具体的な提案があるわけではありませんし、ビルメンテナンスの立場上、直接アクションを起こすことは難しいと感じてはいますが、ビルメンテナンスの現場は最も間近で「見ている」立場です。私たちから何か小さなことでも積み重ねていければ、いずれ環境に対して大きな貢献を果たすことに繋がるんじゃないか、と感じています。

―― これからも業界に関わっていく中で、取り組んでいきたい課題はありますか?

實吉 今の清掃業というのは、接客業と言われていますよね。弊社でも「魅せる清掃」というのはよく言われているんです。昔の清掃業に対するイメージそのままのような「縁の下の力持ち」から、今は人前で、お客様がいる中で、お客様と関わりながら仕事していくというのが当たり前になってきています。
若い方から避けられがちな仕事のイメージが固まってしまっていますが、一般の方からしても私たちは「必ず要るし、必ず居る」仕事なので、もっと皆さんにとって「身近な仕事」でありたいと思っています。
エンターテイメントがどこでも求められているとは思いませんが、例えば海外では仮装してガラス清掃をするなど、お客さんを楽しませるような工夫をしていたりしますよね。私たちの仕事で、周りが明るく笑顔になれるような仕事になっていけたらいいなと思っています。地道な活動になってしまいますが、「いつも笑顔」で、「魅せる清掃」を通じてイメージを変えていきたいと思っています。

―― 最後に、實吉さん個人としての「これからの目標」はありますか?

實吉 資格を取得して、経験をどんどん積んでいきたいと思っています。

―― 資格といいますと。

實吉 ビルクリーニング技能士1級をまずは取得したいと思っています。
新人の指導などに携わっていると、「本当にこれでいいのかな」と不安が頭を過ぎってしまうことがあります。特に、弊社のベテラン指導員が指導しているのを見ると、まだまだ私は遠いなと。ですから、自分が自信をもって指導するためにも、1級の取得は欠かせないと考えています。

内山 もちろん彼女の資格取得を本社が支援します!

―― 心強い声援がありましたね。

實吉 がんばります(笑)

いきいきと、きらきらと。社員全員が輝けることを目指して奮闘する女性管理職。

―― さて、お待たせしました。先ほどご声援をいただきました内山さんは、ミカサでの女性管理職第一号と伺いましたが、どのような経験を積まれてきたのでしょうか?

内山 再就職先を探していた際、「公共施設の受付責任者の募集」という求人を見かけてミカサに入社しました。もともと接遇の仕事を生業としていたこともあって、適職かなと思いまして。
それでいざ入社してみたら、公共施設というのがボートレース場でびっくりしました。確かに公共施設でしたが、当初想像していたイメージとは違いましたね(笑)。

―― 確かにそれはびっくりしますね。

内山 フロアマネージャーとして配属されたのですが、女性が15名程度の現場でした。この現場に配属された際に私に与えられたミッションが、はっきり言ってしまえば「現場の立て直し」です。
当時の現場は、統制が執れていないとか、ワガママな人が幅を利かせてしまっているといった状況で……そういう人ではなく、頑張る人がきちんと報われて、前向きに働ける職場にするのがミッションだったのです。
いきなりその現場の立て直しを命じられ、何から始めれば良いのか、暗中模索でした。私の性分として負けず嫌いなところがあり、「やります!」と宣言して一念発起しました。

―― アウェーな状況から立て直しに奔走された、ということでしょうか?

内山 思いっきりアウェーでしたので、まずは内情を知ることから始めました。いろいろな情報を集めると、一部の人が幅をきかせ、我流で仕事を行っていることがわかりました。その上で、今の仕事に対する向き合い方であるとか取り組みなどを話し合うと、「今のやり方はおかしい、しっかりと仕事に向き合いたい」というスタッフがいることもわかりました。そういったスタッフと意思疎通をはかりながら、少々時間はかかりましたが、組織を建て直すことができました。

―― 相当ご苦労されてきたと思います。

内山 人あっての現場ですから、何かおかしいとか、このやり方は違うと思いながら、日々業務にあたっているスタッフがいることに気づいたことにより、そこからそのメンバーと、とことん話し合いました。
時には想いを涙ながらに伝え、相手のスタッフも涙を浮かべて私に訴えてきたこともありました。
そのお互いの想いが共感につながり、内山が言うなら、やってみようということが徐々にではありましたが、増えて、変わっていきました。
もちろん、私ひとりの成果などと思っておりません。随時、報告をあげながら背中を押してくれた上司とか、支えてくれた人たちがいたからです。そうして現場を建て直した次に、現場の意見を反映させることを行いました。

―― それは、どのようなことですか?

内山 その現場は3年ごとに委託業務をプロポーザル方式で行うところでした。提案の資料作成はコンサルタントと本社で作成していました。
しかし、それでは現場スタッフの声が反映されていないと考え、やり方を改め、現場スタッフの声が提案に盛り込まれるようにしました。
もちろん、スタッフ自らが考え、資料作りに活かすことにより、その責任も出てきます。それを受け入れる土壌ができたのだと思います。

―― 最も大変だったことはなんでしょうか?

内山 実は本当にてこずってしまったのは、後任を育てることでした。育てる、と言いますか、女性しかいない現場だったこともあってか、どうにも皆さん、責任あるポストに就きたがらなかったんです。
結局、本社への異動のリミットも迫る中、なんとか当時ナンバーツーだった方を口説き落として、納得してもらった上でやっとお任せして本社に異動した、という形ですね。

―― 現在は総務部門の部門長としてご活躍だと伺いましたが、内山さんにとってビルメンテナンス業におけるご自身の役割とは何でしょうか?

内山 役割と言えば、「現場と本社を繋ぐこと」だと思っています。そのために、様々な現場に足を運び直接話をするようにしていますし、社長の掲げる「人は宝」という思いを実現するために私たち管理職がいると考えています。
現場の声を経営層に届ける。またその逆で経営層の想いを現場の方々へ届ける。1人ひとりにとって働きやすい環境整備に注力することで、ワークエンゲージメントも高まり、結果として絵会社全体の成長に繋がると考えています。私は社長秘書と役員対応も担っているので、立場を考えながらにはなりますが、組織が大きくなると届きにくくなりがちな現場の方たちの声を積極的に聴きに行っています。

―― 業界における今後の課題は何でしょうか?

内山 よく人材が集まらないという話があります。弊社もやはり、同様な悩みを抱えております。そもそも人口が減少していく傾向にあるなかで、どのように戦力を整えていくか。DX化やAIを活用しながら業務負担を軽減するといった方策を検討することも大事ですが、人があっての業界であるからこそ、取り組まなければいけない課題だと考えています。
ひとつの方策として若年層の雇用に力をいれています。若い人たちのパワーが職場を活性化することを期待しつつ、会社への帰属意識を持てる環境を創ることが重要だと思います。
同時に高齢者を積極的に受け入れることも大事です。やはり、先人たちの知恵に学ぶことは多いです。その中で業務改善や品質の向上につながるヒントをいただくこともありますので、大切にしていきたいと思います。
また、採用活動の一環として弊社で大学生のインターシップを受け入れて、ビルメンテナンスのイメージとして抱く3Kを払拭するような、いかにイメージアップを図るかという課題に取り組んでもらったこともあります。

―― 採用できそうなアイディアは出てきたのでしょうか?

内山 今すぐ既存のイメージを変えることは非常に難しいと感じました。結果として課題解決までは至りませんでした。その一方で、「イメージアップ」を課題にしたため、検討の中でこの業界について知ってもらう、興味をもってもらうことについては成果がありました。

―― 採用活動を行う上で企業のイメージアップは欠かせない要素ですね。

内山 はい。今回のインターンシップでは、既存の若手社員にも関わってもらいましたが、一緒に課題に取り組むことで、改めて自分たちの仕事の意義ややりがいについて考える良い機会になりました。社会にとって無くてはなくてはならないもの、人々の生活を全力で支えているという使命感やお客様からの感謝の言葉がモチベーションアップに繋がっていることなどを再認識しました。ミカサに入社された方が、本心から、心の底からきらきらと仕事のことを周囲に話せる、そして、ミカサの中での職業人生をしっかりと積み上げていける。そういう会社になりたいと思っています。
そのためにも、まずは「この仕事が好き」「この会社にいる自分が好き」になってもらいたいと思っています。
管理職は現場の支援や本部との橋渡しが大事な仕事の一つなので、何かあった時にいつでも相談できるよう、隅々まで声掛けをしたり、いかに社員間のコミュニケーションの場を作るかを考えています。「ミカサ」という組織の中で、社員全員が活躍できること、幸せで誇りをもって仕事ができるよう力を尽くしていきたいと思っています。