信頼され、それに応える現場であることが誇り
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株式会社ビー・エム北陸
代表取締役社長 谷本 紀子
金沢エリア 金沢大学付属病院統括部長 森 孝幸
代表取締役社長 谷本 紀子 氏
――― 早速ですが、谷本社長のご経歴から教えてください。
谷本 晴天の霹靂で社長に就任して、早や7年が経過しました。
―― では、それまでは、会社でのお仕事はどのようなものでしたか?
谷本 まったくの専業主婦です。
―― それは、大変でしたね。
谷本 大変というより、無我夢中で駆け抜けたというのが、正直な感想です。引き継いで7年が経ちましたが、社員をはじめ多くの皆さまに支えられてどうにかやってこられました。
―― ひと口に7年と言っても長いですね。
谷本 本当に、小学1年生が卒業して中学生になるくらいですから……。そう考えると長いと思います。でも、無我夢中であったからこそ、年月が経つのを忘れるぐらいの時間でした。人に恵まれたことが、すべてだと思います。全社員が私を支えてくれています。一人ひとりがビー・エム北陸という看板を背負って、日々の仕事に取り組んでくれています。
私自身は人と接することが好きです。いろいろな場面に遭遇し、お客さまや社員と交渉をしなければならないことがあります。お互い話し合い、理解し合って最善の結論を導き出していく、つまり私は信頼関係を築いていくことを大切にしています。
私はお客さまから「ビー・エムに任せておけば安心」と言っていただけることが何より嬉しいです。それには、日々お客さまと接する現場の皆の力がとても重要です。現場は品質方針に従いお客さまのニーズに応えて信頼関係を深めていかなければなりません。
私は少しでも社員が仕事しやすく頑張れるような環境を整えること、例えば、ゆっくりと身体を休めることができる休憩室の整備やスペースの拡張なども私の大切な仕事だと思っています。
谷本社長から社員に贈されるメッセージカードには、社員を気遣う言葉で溢れている。600名の社員全員の誕生日には、メッセージとプレゼントが渡される。
―― これから目指すべき方向性などを教えてください。
谷本 当社も創業から50年が経ちました。会社を存続させ発展させていくことが使命だと思っています。
恥ずかしながら、私はポリッシャーが使えません。洗浄液の希釈だってわかりません。それは現場の人たちに担っていただくしかありません。私はいつも頑張っている社員に感謝し、社員の成長のためにできることを確実に実践していきたいと思っています。
そして、お客さまの信頼、ニーズに応えていくために、常に改善を重ね10年後であっても20年後であっても品質を守り、自ら誇れる仕事をしていきたいと考えています。
金沢エリア 金沢大学付属病院統括部長 森 孝幸 氏
―― まず、現場でのお話しから聞かせていただけますか?
森 担当している施設が病院ですので、清潔であることには常に気を配っております。とにかく当社だからできた、当社でなければできないということが、病院の信頼に繋がると信じて日々の業務にあたっています。
我々の仕事は快適な環境づくりです。そういった要求に応えてこそ、そこから信頼をいただけるものだと思っています。
―― 快適な環境づくりの大切さは谷本社長からも伺いました。御社の経営理念にも明記されていますね。
森 はい。とても大事にしています。考え方が現場ごとに異なっていたら、良い清掃、良いメンテナンス、そして良い品質は保てません。このことは、新型コロナが流行してから再認識しました。
―― 病院はまさに新型コロナウィルス感染症に対峙する最前線です。どのようなことに気をつけていますか?
森 まずは、我々自身の体調管理です。現場スタッフの健康状態は常に確認しています。そのうえで、清潔であるということを意識することが大事だと話しています。
それと、常に危険を予知・予測しながら作業を行うことです。病院の責任者とは連絡を密にしており、我々だけで解決できないことは指示を仰ぎながら進めることもあります。ごくごくわずかですが、吐しゃ物の処理などや廃棄物の中身がわからないときなどは、特に気をつけています。
―― 作業に対する考え方、適切な処理方法を行うためにも知識を身につけることは、とても大切ですね。
森 私は全国協会が行っている病院清掃受託責任者講習会に参加し、責任者の資格をもっています。おかげさまで再講習も無事に修了しました。
講習会で得たものはとても大きいと感謝しています。講師の方から「汚い手に消毒液をいくらかけてもダメ。まず大事なのは、きちんと手を石鹸などで洗うこと。そのうえで正しく消毒液を使用しなければいけない」というのは、気づきになりました。
―― 受託されている、この病院での感染対策はいかがでしょうか。
森 もちろん徹底されています。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、季節性インフルエンザと同じ扱いになりましたので、その点では作業の負担はいくらか緩和されています。
ですが、手洗いの徹底や消毒液の設置等は変わらず続けています。これは病院という施設の特徴かも知れませんが、抵抗力の弱い方、何らかの疾患を抱えている方が数多く訪れます。その感染対策の根本は変わっていません。特に日常清掃で気をつけています。
―― 負担は緩和されても、コロナ特有の対応はあるということですね。
森 患者さまが入院後に発熱し、コロナ陽性と診断された場合、一般の病室などにいることもあります。そうすると、その病室を清掃したスタッフと接触したことになります。もちろんマスクとゴーグルは必ず着用していますが、そのような場合には遡ってその日時に清掃したスタッフが誰なのか、その人がその後にどのような場所を清掃したかなどを確認し、報告しています。
―― どのくらい遡るのですか?
森 病院側との取り決めは10日間です。
―― この病院では何名の方が従事しているのですか?
森 70名です。
―― それは大変ですね。
森 確かに大変ですが、シフトを組むためには必要なことです。数か月先の体制まで作っておくことが大事だと感じています。もちろん変更はありますが、日々の作業現場が滞ることなく、円滑に進めていくためにも不可欠です。これを行うことにより、病院側の求めに応じて情報を提供したり、共有することができます。
―― これからの目標を聞かせてください。
森 技術やこれまで培ったノウハウを、どのように伝えていくかが大事だと思っています。今の現場は、おかげさまで10年以上にわたり受託させていただいています。これまでにいろいろなことがありました。この現場では、技術評価を病院が行っています。
―― どのようなことでしょうか?
森 実際の清掃作業、その作業内容について、病院が自ら模擬現場を作って行います。模擬現場は単に掃除するだけでなく、赤いサインペンで塗ったガーゼなどが置いてあり、それを感染性廃棄物として、どのように処理するかなどもチェックしています。
―― シビアな模擬現場ですね。
森 日常清掃に潜んでいる、気をつけるべきことが複数用意されています。その状態をまずは責任者がチェックし、それを的確に作業者に伝える。そして作業者は指示どおりに業務を遂行する……。そこを病院が確認しています。
―― でも、そういった病院の要求を確実に遂行することが信頼につながるのではないですか?
森 そう思います。ビー・エム北陸だからこそ、ここまでやる。お客さまの期待を裏切らずに応えていく。その積み重ねあってこそ、10年以上にわたって業務を請け負ってこれたのだと思います。
―― 何よりも信頼を得ることですね。
森 そうです。だからこそ技術を次の世代に伝えていくことが大事だと思います。やはり、現場は一人では回りません。チームワークです。社員、パートを問わず、連携し共有することが大切です。その中で、私がビー・エム北陸に入社してから学んだこと、覚えてきたことをいかにして伝えていくかが、これからの仕事だと思っています。
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- 代表取締役社長:谷本 紀子
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