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常にきれいな状態を保つのが清掃

2023/12/08 15:00



―― 子どものころは、何になりたかったですか?

山本 親がビルメンテナンス業を営んでおり、学生のころにアルバイトから始め、自然とその会社で働いていました。

―― なぜ、オーエルサービスを設立したのでしょうか?

山本 兄弟5人、みんな同じ会社で働いている中で、30歳くらいの時に勢いもあり、独立しました。

―― 独立しての仕事は順調でしたか?

山本 本大変でした。最初は親の会社からの仕事が100%でした。その後、協会で知り合った方々からの仕事などもあり、今では親の会社からの仕事はなくなりました。

―― 協会で講師をされていますが、きっかけは何ですか?

山本 若いころからお世話になっている方から急に声をかけていただき、講師を経験しました。まったく経験のない状況でしたので、非常に苦労しました。最初はすごく嫌でしたが、講師どうしの良い出会いがあり、今では多くの友人ができたことは大きな収穫でした。講習後によく飲みにも行きます(笑)。

もちろん、講師としても良い経験をさせていただいています。講師をしていることで周囲からの信頼を得られていると感じます。また、協会内の付き合いが仕事面にもつながっています。

―― アビリンピックにも携わっておられるのですね?

山本 全国アビリンピックでは、ビルクリーニング種目は2008(平成20)年の第30回大会でデモンストレーションが行われ、翌年に正式種目としてスタートしましたが、実はそれ以前から都道府県では種目として行われていました。最初に始まったのは神奈川県ですが、その競技課題を作るところから携わっています。

最初に模範演技のDVDを作成しました。その中で、ビルクリーニング技能検定では行わない「挨拶」を、アビリンピックの競技の中に取り入れました。当時は全国から色々な意見が出ましたが、今では礼儀の作法が素晴らしいと言っていただいています。実際の業務にも活かせるものと思っています。日常清掃においては挨拶は基本です。それは必要だと思っていました。

アビリンピックは全国にまで広がりました。沖縄で開催したアビリンピックでは47都道府県から選手が集まり、競技をしている姿を見て非常に感動しました。アビリンピックには思い入れがあり、継続して携わっています。

―― 協会活動を通じて業界を変えていきたい気持ちはありますか?

山本 協会で講師をしていることもあり、ビルクリーニング技能検定という資格の価値を上げていくことが必要だと思っています。ビルクリーニング技能検定を取得することへの意義を、より持てるようになることを希望しています。ビルクリーニング技能検定を持っていることで、それが技術の裏付けとして用いられるようになると良いと思っています。

幼少のころ、父親の仕事を聞かれて「掃除屋さん」と答えた時に、半笑いでバカにされたようなことがありました。決して清掃はバカにされるような仕事ではなく、必要な仕事と思っていますし、業界をより良くしていきたい気持ちは強いです。我々の仕事は掃除ではなく、清掃です。私は「常にきれいな状態を保つ」のが清掃、「汚れた状態を綺麗にする」のが掃除、と考えています。講習の中でも、生徒にこのことは伝えています。


「仕事は楽しいが一番であるべき」と語る山本氏と若手スタッフ

―― どうしたら、若い人が業界で働くようになると思いますか?

山本 あまりキツキツしないこと、見た目にこだわり過ぎないことが大切だと感じています。ただ、礼儀や挨拶は重要だと考えており、特にその点は指導しています。

実技としても、若手へ研修を行うことがあります。先日はポリッシャーやフロアスクイジーの使い方を教えました(編集部注:Instagramで研修姿を見せていただきました)。もちろん、研修後は交流を図るため、懇親会を実施しました(笑)。

―― これから会社が成長していく中で、取り組んで行きたいことはありますか?

山本 次世代に向けた人材を育てて行くことが重要だと思っています。仕事は楽しくなくてはいけない。色々ルールはありますが、その中でも「楽しい」が一番であることが重要です。そして仕事を楽にすることも大切だと思っています。道具で仕事を楽にしていくことを、私としても取り組んで行きたいと思っています。

―― この業界、今後どのような明るい未来があると思いますか?

山本 人がいらなくなっていく仕事もありますが、清掃は人がいないとできません。なくならない仕事だと思っています。その中で若い人からも選ばれる仕事にしていきたい。そうなると嬉しいです。

―― この業界、今後どのような明るい未来があると思いますか?

山本 人がいらなくなっていく仕事もありますが、清掃は人がいないとできません。なくならない仕事だと思っています。その中で若い人からも選ばれる仕事にしていきたい。そうなると嬉しいです。

若手スタッフお2人からもお話を聞きました。

―― この会社に入ってどのくらいですか?

若手スタッフ 2ヶ月くらいです。1ヶ月くらいです。

―― 仕事の現場に出てみて感じたことはありますか?

若手スタッフ 清掃の現場では思ったより、機械を扱う仕事なのに驚きました。バキュームなどの機械を扱うのはまだ難しいと感じています。これから現場で実践をつんで慣れていきたいと思います。

―― 社長の印象は?

若手スタッフ 愛社心があり、とにかく優しいです(笑)。


仕事のこと、社長のことを語っていただきました

―― 普段、現場で働く機会はありますか?

山本 あります。その中で、若手スタッフから意見が上がる機会があります。非常にオープンな会社だと思っています。

みんなの意見を聞いて、良いと思ったことは変えていきます。ホームページ作成についてもそうですし、Instagramを始めたのも若手スタッフからの意見です。作業着を変えたいという意見もあります。そういうことも大切だと感じています。こういうことから業界のイメージの向上にもつなげていけると嬉しいです。

―― スタッフの方に若い方が多いですね?

山本 当社は現在、若いスタッフが多いです。若いスタッフの場合、見た目の話が出ますが、うちは爪なども自由です。私から爪が折れないようにと心配することもあります(笑)。

ビルメンテナンス業界は非常に堅いというイメージが強い。テキストに書いてあるとおりに教えていくのではなく、化粧、爪、おじぎなどにおいても、実際の現場や業務にあわせて対応すべきと思っています。
今後も若い人に興味を持ってもらえる職場にしていきたいと思っています。