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従業員の幸せがお客さまの幸せに繋がる

2024/08/07 10:00

 

従業員が幸せになるかどうかを判断基準に。

―――会社について教えてください。

村松 株式会社エス・ビー・エムは、「小さな和から大きな輪」を社訓として、お客さまに安心安全で笑顔と感動を与えるサービスの提供を努めてきました。

この社訓は、「小さな繋がりがさまざまなところに広がり、次第に大きな繋がりになっていく、人と人の繋がりを大切にしていこう」といった意味で、1975年の創業からずっと当社の社訓としています。先代が掲げたこの社訓をとても大切な言葉だと考え、その社訓を実現するため、実際にどのような行動をしていくべきなのか、私が代表に就任した際に明確な経営理念と行動指針を作成しました。

経営理念にある「かかわる全ての人を幸せにする会社を目指します。」というのは、前職の頃から働く上で重要だと思っていたことです。一番は当社で働いている人たちが笑顔で幸せになってくれることだと思います。それが実現できればおのずとお客さま、かかわる人が笑顔で幸せになっていく、それが実現できる会社が成長していくのではないかと考えています。

―――以前は別の会社に勤められていたとのことですが、株式会社エス・ビー・エムに入社されたきっかけを教えてください。

村松 当社は、私の父がビルメンテナンス事業者として立ち上げましたが、私が子どもの頃は父がどんな仕事をしているのか全く知らず、サッカー選手を目指して練習に没頭していました。

大学を卒業してからも当社には就職せず、設計関係の仕事に就いていました。働いているうちに対面でお客さまとかかわる仕事がしたい、自分に向いているんじゃないかと考え、営業の仕事を何社か経験し当社に入社しました。

当社は現在ビルメンテナンス事業をメインに行っていますが、実は創業からずっとビルメンテナンス事業一本だったわけではないんです。

―――そうなんですか?

村松 当社の親会社、万葉俱楽部株式会社の前身にカメラおよび付属品の販売・現像・焼付・撮影等の写真事業を行っている日本ジャンボー株式会社という会社があります。

先代がそこの社長(現会長)とご縁があり、当社でも写真事業を始めました。すると、ビルメンテナンス事業を超えるほど、写真事業が成功しました。これも1つの「小さな和から大きな輪」ですね。2004年に業務多角化に伴い、写真事業を親会社に譲渡し、ビルメンテナンス事業を柱として、株式会社エス・ビー・エムを新たにスタートさせました。

―――社長になってご苦労されたことがあれば教えてください。

村松 苦労とは違いますが、社長になり改めて従業員500人以上の生活、人生を預かっている責任と従業員だけではなく、その家族の幸せも担っているんだと改めて実感しています。何かを判断する場面ではより慎重に考えるようになりました。仕事は日々判断の連続です。会社の売上・利益はもちろん考えなければいけませんが、迷ったときは経営理念を思い出し将来的に従業員とその家族が幸せになるかどうかを基準に、代表として責任をもって判断していかなければいけないと考えています。

ただ、人を幸せにするには、自分が笑顔で幸せでないといけないと思っていますので、苦労することもちろん多々ありますが、「楽しく仕事をする」をモットーに日々業務に励んでいます。

―――現在会社で力を入れている事業はなんですか?

村松 もちろん、ビルメンテナンス事業は当社の柱として取り組んでいますが、柱が1本では会社としての安定性がないため、ビルメンテナンス事業を含め3つの柱として取り組んでいる事業があります。

1つ目は太陽光発電(メガソーラー)事業です。福島第一原発の事故を受け、先代が安心安全な電力をつないでいく必要があるとして、自然エネルギーに注目して2014年からこの事業を始めました。

もう1つは、ハウスクリーニング事業です。高齢化や女性の社会進出で東京では家事代行サービスの需要が高まっていますが、今後地方でも需要が増えていくのではないかと考えています。株式会社エス・ビー・エムはB to B向けでやってきたので、B to Cの一般のお客さまに分かりやすくキャッチーな名前をということで事業の屋号を「桜橋そうじろう」としています。

会社を成長させていくために、これら3本の事業を今後伸ばしていくことも大切ですが、高齢化や人手不足、ビルメンテナンス事業界は特に人手不足が問題となっており、会社としてこの問題の解決にも取り組まなければならないと考えています。

地域の人たちに親しんでもらえるよう、旧事務所の地名「桜橋」から「桜橋そうじろう」と名付けた。

会社として従業員の夢をかなえる応援を

―――人手不足の解決について、取り組まれていることはありますか?

村松 数年前から特定技能外国人の採用に取り組んでいます。現在は50名弱の外国人の方が当社で働いています。最終的には彼らに正社員として当社で働いてほしいと考えていますが、彼らが母国に帰ったとしても、日本で得た技術が彼らの国の発展に貢献できればと思っています。

また、彼らが日本で働く上で、日本での生活に馴染めるように、仕事だけではなく生活のサポートにも力を入れています。彼らの教育を担当する従業員には、彼らの母国に行ってもらい実際に彼らの生活文化を観てきてもらいました。そのおかげか、会社を辞める子たちもほとんどおらず、会社の若い原動力として当社で一緒に働いてもらっています。 当初は、人手不足解消のために始めたものでした。しかし、彼らと対話する中で明確なキャリアビジョンや夢を持って日本に来ていることに気づきました。そのため、会社として彼らがキャリアビジョンを描ける仕組みを造り夢をかなえる応援をしています。

―――その他に何か取り組んでいることはありますか?

村松 従業員がキャリアビジョンを描くために見える化をしていきたいと考えています。そのためには資格の取得は非常に重要で、このレベルにはこの資格は必要といったキャリアを見える化し、会社が資格取得のための支援や評価をする制度を今後運用していく予定です。また、私も業界未経験でしたのでさまざまな勉強をして資格を取得しました。その勉強で身についた知識が業務で役に立った時、成長できている嬉しさを感じました。その嬉しさを従業員の皆さんにも実感してほしいとも思っています。

資格をとることで従業員のレベルが上がれば会社のレベルも上がり、会社としても従業員に給与アップ等で従業員の成長を評価し、お互いウィンウィンの関係で共に成長していきたいと考えています。

―――今後会社をどうしていきたいですか?

村松 社会・お客さま・仲間のために頑張ろうと思って働いている方が多い会社になりたいです。当社の従業員はほとんど中途採用なので、色々な職種・社会経験している人が多いなか、当社を選んでくれました、その出会いを大事にして、出会った方々が楽しく当社で働いて、お客さまに還元し地域にも貢献していきたいと考えています。

また、ビルメンテナンス事業は正直なところ、何をしている業界なのかまだまだ一般の方には知られていないのが現実だと思います。大抵の人には「お掃除屋さんね」と言われます。

一般の方がイメージしやすい建物のお掃除だけではなく、ビルメンテナンス事業者が建物を管理しているからこそ、当たり前のように建物(施設)を安心・安全に利用できている、ということを子どもからお年寄りまで認知していただけるように広めていきたいです。そして私たち自身も、我々が建物の安心・安全を提供しているんだと認識し、自信をもってお客さまや家族、子どもたちに『ビルメンテナンス』という仕事を伝えていきたいです。

ビルメンテナンス事業はすごく奥深くやりがいのある仕事です、これからもっと認知され、業界全体の地位が向上し、一人でも多くの日本人・外国人の子どもたちがビルメンテナンスの仕事に就きたい、この会社で働きたいと思っていただけるようになれば嬉しいなと考えています。