mv mv-sp

新しい発見と挑戦 従業員のブレーンを最大限に発揮する

2024/10/10 10:00

―――入社されたきっかけは何ですか?

吉田 私は3代目になります。会社は今年で60年を迎えます。社員を大切にする、そういう社風が好きで入社しました。

―――子供のころから、この仕事をされると思っていましたか?

吉田 そうですね。必然的に継ぐのだろうなということはどこかで思っていました。
ただ、子供の頃はレゴブロックでモノを作ることや絵を描くことが好きでした。そこで中学生の頃に建築を勉強したいと思い、大学も建築学部に進みました。大学ではBIMの研究をしていました。卒業後、NKSコーポレーションへの入社を予定していたので、BIMを維持管理につなげることを考えたりもしていました。

BIM (Building Information Modelling) とは・・・コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、建物の属性情報(各部位の仕様・性能、居室などの名称・用途・仕上げ、コスト情報など)などを併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。

―――全国協会では今期、BIMに取り組む動きはありますが、業界内で広めていくには?

吉田 BIMをもっと簡単に捉えていくべきと思っています。あくまで情報のプラットフォームがBIMなので。設計で使う情報のうち維持管理で使う情報を整理し、選別していくことが重要です。設備をBIM化すると、工事する際に建物の配管がクリアになる、修繕履歴が残るなど良い点があります。清掃面でもBIMの仮想空間の中でゴミが溜まりやすい場所に対する対策を検討、仕様を決めていくことも考えられます。

―――BIMの研究をしていてNKSコーポレーションへの入社に迷いはありませんでしたか?

吉田 今でも設計の仕事をしたい気持ちはあります。そこで60歳を目途に引退できるように準備をしていくことを考えています。そこからは自分自身の夢である設計をスタートさせたいと思っています。

―――入社後、苦労されたことはありますか?

吉田 自分より年上の方をまとめることです。当然ながら、入社すると一番年下ですし、それは支店長を任された時も同じです。その中で仕事を仕切る必要がありました。その時は言葉の選び方、相手の目を見て話すことを心がけました。目を見て話すことで、相手の気持ちが伝わることを実感しました。このような中でコミュニケーション力を磨かせてもらいました。
今では相手を尊敬、尊重して接することが何よりも大切で、そうすれば相手の年齢など関係ないと思っています。

左から山口専務、吉田社長、エナさん、加藤さん、林(リン)さん

―――吉田社長がNKSコーポレーションに入社されてどうでしたか?

山口 入社当時、吉田社長はBIMの研究の話をしたんです。まったく分からないのに。でもその話に今後のビルメンの可能性を感じたのを覚えています。
私はNKSコーポレーションに入社前は料理人になりたいと思っていました。この仕事を始めても5年位はどこか後悔するような気持ちがありましたが、吉田社長が入社し、会社に対する可能性を感じ、吹っ切れた気がします。吉田社長をバックアップしていこうと決め、現在に至ります。

―――現在、どんなお仕事をされていますか?

エナ 外国人の採用から現場での仕事までサポートをしています。
外国人を採用するとさまざまな手続きがあります。銀行口座をつくる、携帯電話など。そこには言葉の問題があり、サポートが必要です。
私は日本に約13年住んでいますが、日本に来てすぐのころ、自身が経験したからこそ、その大変さが分かります。外国人スタッフを独りぼっちのさみしさから救いたいと思っています。
現在9カ国の方が働いており、これまで70名程度の採用に携わりました。

―――大変なことはありますか?

エナ ないです。ただ、助けたいという気持ちで接していると、相手がそれに甘えてしまい、上手くいかないことはありました。

―――これまで仕事で嬉しかったことは?

エナ 仕事で関わった人から「ありがとう」「日本に来て良い思い出ができた」という言葉をかけてもらったことです。

―――現在、どんなお仕事をされていますか?

 外国人スタッフのリーダーとして、ホテルにおける清掃業務を行っています。ホテルでは、何より挨拶、そして部屋をきれいに保つことを大切にしています。

また、自分だけでなく、他のスタッフが業務を身に着けられるように指導しています。新人の場合は一緒に部屋をまわりながら、流れを教え覚えてもらっています。働く外国人スタッフの国籍、文化、性格も異なるため、難しいと感じることがあります。

―――難しいと感じる時、どう対応していますか?

 明確に言うことが大切だと感じています。抽象的な言葉だと相手に伝わらない。相手に伝えるために「正直」に「明確」に伝えています。

エナ まずは日本のマナーを教えることが必要です。外国人スタッフは遅刻や突然の欠勤をすることがあります。日本人には当たり前のことが分からない人もいます。
コミュニケーションは本当に難しいです。けれど、いろいろな人とのコミュニケーションをとる仕事での経験を通して、どのような人ともつながりを持てる自信につながりました。
今では誰とでも友達になってしまいます(笑)。

―――現在、どんなお仕事をされていますか?

加藤 清掃の現場で働く従業員がお休みされた際に代わりにその現場で清掃をしています。現場によりルールや仕様が異なるので、それを把握することが大切になってきます。
また、営業サポートとして自社担当者(=会社)と清掃員(=現場)の間に入って、現場の改善を行うこともあります。現場で清掃する方たちと、同じ目線で作業をするからこそ、何に困り、何が問題なのかを理解だけではなく実感として持ち帰ることができます。

―――仕事でどんなことを大切にしていますか?

加藤 働いていただいている清掃員の方に寄り添うコミュニケーションを大切にしています。現場で色々なお話や想いを聞かせていただくことで、問題や悩みが改善へと進んだり、会社と現場の信頼関係や連携が深まる機会を得ることにも繋がっています。

―――今後の目標はありますか?

エナ やりたいことはたくさんあります。まずは中国語を身に着けたいです。今でも5カ国語は話せますが、それを増やしていきたいと思っています。まずは言葉、さらに文化を知りたいです。行きたい国もたくさんあります。
たくさんの言葉を話し、人とコミュニケーションでつながっていきたいです。

加藤 清掃現場もホテル現場も外国人スタッフが多く在籍し、私も両方の現場に携わっているので、英語は話せるようになりたいと思っています。

 やっぱり言葉が大切です。スペイン語を話せるようになりたいと思っています。

エナ 言葉が話せると自分自身が変われるし、成長もできます。それが楽しく生きる力につながると思っています。

―――外国人採用に力を入れていますね? 

山口 外国人しか見ない求人サイトへの求人掲載や、働いていた留学生の紹介から採用につながることもあります。当社では外国人が日本に入国後1カ月以内に採用することができます。これはエナさんや林さんがいることで言葉の壁をクリアし、入社手続きから業務開始までのサポートが可能な体制があるからです。
一度退職しても戻ってくるケースも多いです。そのくらい当社の外国人サポートは手厚いと思っています。

―――外国人が活躍する現場が多いのですか? 

山口 九州地区で設備管理や大型ホテルの清掃業務がある状況で、無人ホテルでのベットメイクの案件が来ました。これまでのノウハウから受注し、ベットメイクの業務が広がりました。今では東京でも行うようになり、外国人を積極的に採用し、活躍してもらっています。

相手を尊敬し、接することがコミュニケーションにおいて大切と語る吉田琢哉氏

―――従業員の方と接する際に気を付けている事はありますか?

吉田 創業者から「1,000人の従業員がいるということは、その家族4,000人の生活が肩に委ねられている」と言われ続けています。自分が何かを決断する際には4,000人の生活ということを必ず考えるようにしています。
決断する際はまずは自分自身で考え、それを山口専務にアウトプットし、さらにブラッシュアップしていくようにしています。

―――吉田社長とはとても良い関係ですね?

山口 相談された際は忖度なく、何でも話します。言い過ぎてしまって申し訳ないくらいです(笑)。

―――今後、会社をどうしていきたいですか?

吉田 なんでもトライしていきたいと思っています。「新しい発見と挑戦」ということが大切だと考えています。1,000人の従業員がいれば、1,000人の頭脳(ブレーン)があり、その能力を最大限に発揮できたら、いろいろな可能性が広がります。それが、異業種展開の可能性にも。エナさん、林さんがいることで外国人雇用が広がっているのもその1つです。

山口 今後も人材難が続いていくと思うので、いかに人を採用していくか、選ばれる会社にしていきたいと思っています。その1つに福利厚生に関わる事業を考えています。
職場に社員食堂を作り、従業員には無償で提供、そこで出す料理をキッチンカーで販売するようなビジネスを設計中です。当社の従業員になると食事が無償で食べられるというような従業員になることでプラスを生む事業を行っていきたいと思っています。

青い空と白い雲に映える「新潟管財」の看板