4月1日施行「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者」の選任をお忘れなく【4月1日更新】
令和4(2022)年5月の労働安全衛生法関係法令の改正により、本年4月1日よりリスクアセスメント対象物※を製造、取扱い、または譲渡提供をする事業場ごとに「化学物質管理者」および「保護具着用管理責任者」の選任が義務化されました。
今回の改正により、対象物を製造していなくても、「該当する化学物質を用いた洗浄、清掃、漂白、消毒、駆除」を行っている事業者は義務化の対象となります。基本的に、化学物質を含む洗浄剤等を使った清掃業務や設備管理業務を行っている事業者は、義務化の対象になるものとお考えください。
※リスクアセスメント対象物は、こちらで確認できます。
化学物質管理者
化学物質管理者は事業場ごと(現場、物件ごとではありません)に、「化学物質管理者の業務を担当するために必要な能力を有する者」から選任することとされています。具体的には、下記の「職務」を実施できる方を選任することが必要です。
化学物質管理者の職務
・ラベル・SDS等の確認
・化学物質に関わるリスクアセスメントの実施管理
・リスクアセスメント結果に基づくばく露防止措置の選択、実施の管理
・化学物質の自律的な管理に関わる各種記録の作成・保存
・化学物質の自律的な管理に関わる労働者への周知、教育
・ラベル・SDSの作成(リスクアセスメント対象物の製造事業場の場合)
・リスクアセスメント対象物による労働災害が発生した場合の対応
全国協会にて、毎月15日に配信している「安全・健康のツボ」では、「身近な化学物質に注意 化学物質管理者の役割」をテーマに、化学物質管理者とは、どのような人を選任すればいいのか、どのような役割を持つのかについて解説していますので、ぜひご覧ください。
・「安全・健康のツボ 身近な化学物質に注意 化学物質管理者の役割」
なお、ビルメンテナンス業など「リスクアセスメント対象物の製造事業場以外」では、専門的講習の受講は義務ではありませんが、受講することが推奨されています。専門的講習は、中央労働災害防止協会などの機関が実施しています。
また、リスクアセスメント対象物製造事業場向けではありますが、厚生労働省では「化学物質管理者講習テキスト」を公開していますので、ご活用ください。
保護具着用管理責任者
化学物質管理者を選任した事業者で、労働者に保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者の選任が必要です。「保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者」から選任することとされています。具体的には、下記の「職務」を実施できる方を選任することが必要です。
保護具着用管理責任者の職務
・有効な保護具の選択、労働者の使用状況の管理その他保護具の管理に関わる業務
なお厚生労働省では、保護具着用管理責任者の職務を支援するため、保護具の適切な選択・使用・保守管理の方法等をまとめた「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル(第1版・令和6年2月)」を作成し、公表しています。併せてご確認ください。
「事業者が実施すること」を確認しましょう
職場の化学物質管理総合サイト「ケミサポ」では、「事業者が実施すること」を、4ステップで順を追って確認できるようになっています。また「無料相談窓口、よくある質問」も用意されていますので、ご活用ください。
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もっと詳しく知りたい方は……
上記の「ケミサポ」のほか、厚生労働省「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」、職場の化学物質管理ポータルサイト「ケミガイド」も参考になります。併せてご確認ください。
ケミサポ | ケミガイド |
■関連リンク
・厚生労働省「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」
・厚生労働省「労働安全衛生法の新たな化学物質規制」(PDF、P4~5に当該の記載があります)
・職場の化学物質管理総合サイト「ケミサポ」
・職場の化学物質管理ポータルサイト「ケミガイド」
・全国協会「安全・健康のツボ(9月)「化学物質管理者の役割」」